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東芝、水素で「CO2排出ゼロ」発電 20年度実現目指す
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「自立型エネルギー供給システム」を遠隔地の自治体などに運ぶためのコンテナ(東芝提供) 東芝が二酸化炭素(CO2)を出さずに電気を供給するシステムの構築に着手したことが8日、明らかになった。自然エネルギーで製造した水素でガスタービン発電所を稼働させることなどにより理論上、CO2の排出をゼロにする。2020年度の実現を目指す。
同社は今春、府中事業所(東京都府中市)に設置する「水素エネルギー研究開発センター」で次世代エネルギーとしての水素関連技術の開発や検証を本格化する。
風力や太陽光などによる発電を大規模に行うのに適した土地は国内に少ない。このため、海外で発電した電気を使って水を分解し、水素を取り出す。国内に運んだ水素を燃料に発電すれば、環境負荷が極めて小さい電力網ができる。自然エネルギーで直接、発電するより供給量も安定化する。環境やエネルギー問題の深刻さから、東芝は今後、こうした発電システムへの需要が高まるとみている。
風力発電についてはロシア・サハリンや米アラスカなどの適地の調査に乗り出している。自社で発電所をつくったり、運営する会社と連携するなどの手法がある。また、水を分解して水素を取り出すシステムについては、セラミック(固体電解質)による高温水蒸気電解装置を開発中。コストの高い白金などの触媒が不要で、従来のアルカリ電解などより分解効率が高いという。国内への輸送については他社に委託する方針。
国内では、水素ガスタービン発電所で発電する。同社は水素と天然ガスを混合して用いる発電についてはすでに実用化。水素だけで発電するガスタービンの開発にも着手している。
東芝はこのほか、国内の地方で、太陽光や風力による発電でつくった水素を貯蔵し、平時と非常時の電源として使う「地産地消型」システムを自治体などに販売する構想も進める。