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生保が関空に熱視線 利回り確保へ運用多角化
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長期金利の低下を受け、生命保険各社が運用先の見直しに乗り出した。保険契約を通じて顧客から預かった資金を、主に20年、30年の超長期の日本国債で運用してきたが、このままの運用では保険契約者に約束した利回りを下回る恐れが出てきたからだ。保険各社は米国を中心とした海外主要国の外国債券(外債)の運用比率を高めているほか、企業への資金融資や介護、医療、インフラ分野などへのシフトを加速。さらに新規分野として、空港の運営権などへの投資を通じ、利回り確保を目指す動きも出ている。
「ここ1年、超長期国債の購入を抑制している。運用先がまったくない」
第一生命保険の運用担当幹部は、こう嘆く。
16日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時0・225%と、取引時間中として過去最低を更新。終値は前日比0・010%低い0・235%で、6営業日連続で過去最低だった。国債の利回りは、日銀が金融緩和策で国債を大量に買い続けている結果、低下が止まらず、今後についても「先が見えない」状態にある。
こうした中で、注目されるのが日本国債以外の運用だ。
明治安田生命保険は、昨年10月から今年3月までに毎月入る保険契約で得た資金のうち最大5千億円を外債運用に切り替えた。住友生命保険も、日本企業の海外でのM&A(企業の合併・買収)の資金融資で利回りを得ているという。
このほか、第一生命は、大規模太陽光発電所(メガソーラー)、日本生命保険は、英国の学校や病院などへ長期の融資を行うファンドへ投資するなど各社が運用先の多角化に乗り出している。
また、今後の新たな投資先として日本生命が検討しているのが、入札がまもなく始まる関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営権売却に絡んだ出資だ。関空の運営権は、45年間というかなり長期的な運用で「保険の契約年数が長い生命保険にとっては最適な運用先」(関係者)だ。この低金利下で、仮に2~3%の年間利回りが得られるならばリスク分散の観点からも魅力的な投資先となるわけだ。
このため、日本生命以外の生命保険も、空港運営にあたり前払いする保証金(1750億円が下限)への出資を通じ、リターンをもらう方式での参入を検討。現在、第一生命保険、住友生命保険などの名前が挙がっている。(飯田耕司)