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ノンアル特許で真っ向対立 サントリーがアサヒ提訴、第1回口頭弁論
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サントリーのノンアルコールビール「オールフリー」(右)とアサヒビールの「ドライゼロ」 サントリーホールディングス(HD)が、ノンアルコールのビール風味飲料(ノンアルコールビール)の特許について、アサヒビールが侵害したとして、商品の製造や販売の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こし、第1回の口頭弁論が10日、行われた。
この訴訟はサントリーが1月中旬に提訴。サントリーは「エキス分、糖質などが一定の範囲であるノンアルコールビール」が自社の特許としており、アサヒの商品である「ドライゼロ」が、この範囲内にあり、特許侵害だと主張している。一方、アサヒはサントリーの特許が「既存の製品から容易に発明できるもので、特許自体が無効」とし、同特許の無効審判の請求も検討するなど、真っ向から対立している。
ノンアルビールは、昨年のビール類の出荷が10年連続で減少するなか、微増となるなど、安定的な収益が見込めるジャンルだ。
国内シェアではカロリー、糖質をゼロにした「オールフリー」を展開するサントリービールが2014年の販売で前年比4%増の720万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で1位。これを「ドライゼロ」ブランドのアサヒが16%増の630万ケースで猛追する構図となっている。
この2強による競争の激しさが増している中での特許侵害をめぐっての訴訟だけに注目を集めそうだ。第2回の口頭弁論は5月11日に予定されている。