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科学技術
STAP論文問題 抱え込まれた「極秘研究」不正の温床か
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STAP論文の不正は、小保方晴子氏の研究が極秘扱いで行われたことが一因との指摘が出ている。閉鎖的な体質が外部の検証を阻み、不正の温床となった可能性がある。
小保方氏が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は研究者や研究室間の議論や交流が活発で、オープンな風土で知られていた。だが小保方氏の研究内容はセンター関係者ですら、ほとんど知らなかったという。
「他の研究者が成果を持ち逃げしないように、上層部が小保方氏を囲い込んで情報を漏らさないようにしたのだろう。それが不正の背景にあったのでは」。同センターに所属していた理研のある研究者は、こう話す。
実験データが外部の目にさらされると、より客観的なチェック機能が働く。センター内で議論を重ねていれば、一連の問題点が論文発表前に明らかになっていたかもしれない。
熾烈(しれつ)な競争の中、いち早く成果を挙げるには情報の管理も大切だが、この研究者は「完全秘匿は理研という公的機関の態度ではない」と批判する。理研では問題発覚後、若手を含む多くの研究者が再発防止に向けて意見を交わしているという。
一方、科学者として経験の少ない小保方氏をリーダーに起用したことを疑問視する声もある。
理研の野依良治理事長は1日の会見で「若手や女性など多様な人材をリーダーに登用することは、研究に新たな視点をもたらす上で大事なことだが、研究者の倫理観の程度はさまざま。不正という負の効果をどうすれば最小化できるか検討したい」と話した。