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語学力だけではダメ! 留学経験者が語る「グローバル化」求められる人材とは?(上)
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グループに分かれ、グローバル人材にはどんな能力が求められるのか、討論を行った=2013年(5大学合同_有志学生記者撮影) 日本企業の「グローバル化」が加速するなか、就職活動を行う学生たちも、「グローバル人材」としての能力が求められている。どんな会社に入っても、グローバル化と無縁ではいられない。でも、いったいどんな能力が求められているのだろうか。5大学6人の学生記者たちが留学生や留学経験者を交えた討論会を開いた。
海外を舞台に働きたいと考える学生は少なくない。外資系企業への就職を目指す学生も多い。そうでなくても、ほとんどの企業が、少子高齢化で国内市場が縮小するなか、海外市場に活路を求めている。英語を「社内公用語」とする企業もある。
政府も、グローバル人材を育成するための動きをみせている。全国42校の私立大学では2012年度から、「グローバル人材育成推進事業」が進められている。
文部科学省のホームページによると、この事業は「若い世代の『内向き志向』を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成を図る」としている。
では企業側はグローバル化を進める上で、どんな人材を求めているのだろうか。海外から日本に留学している学生や海外留学の経験がある学生らを招いて討論イベントを開き、探ることにした。
「グローバル人材」について考える前に、まず最近の若者の仕事に対する考え方について考察した。
日本能力協会が12年度入社の新入社員を対象に行った意識調査によると、「海外に赴任したい」と答えた人が全体の66.5%を占めた。その理由としては、「国内では経験できない仕事にチャレンジできそう」や「キャリア形成に役立つ」などが挙げられた。
また、「子供が生まれても仕事を続けたい」と答えた人が72.1%、「育児休暇を取得したい」と答えた人は48.3%と、過去最高を記録している。
この調査から、キャリアアップを視野に入れて仕事に取り組む一方で、家族やプライベートも大切にしたいと考える若者が増えていることがうかがえる。
企業側も、少子高齢化で労働人口が減少するなか、結婚や出産などのライフイベントをきっかけに有能な社員が抜けてしまうのを防ぐ必要に迫られており、育児休暇などの制度を充実させている。
仕事と生活を両立させる「ワーク・ライフ・バランス」を社会全体でサポートする機運も高まっている。
「仕事以外の趣味を持ち、家族との時間も大切にできる人」
討論会でも、仕事とプライベートを切り替え、結婚や恋愛などのライフプランと両立を目指す学生が多かった。
多くの学生が、語学よりも重要だと答えたのが、「コミュニケーション能力」だ。現地の言葉を話せるに越したことはないが、「外国語が話せる=グローバル人材」ではないという意見が多かった。「自分の意見や主張をはっきり言える人」との声も出た。そのためには、「現地の言葉が話せて当然」という見方もできるだろう。
では、海外で求められるコミュニケーション能力とはどんなものだろうか。
「その国の文化に入り込んでいける柔軟な人」
「お互いの長所を認め合い、融合できる人」
「大局的に物事を捉えられる人」
討論会では、こんな意見が出た。海外に赴任すれば当然、「外国人」として働くことになる。自国の価値観を押し付けたり、逆にその国の主張をそのままうのみにしたりするのではなく、お互いのメリットになるよう行動することが求められる。文化を理解するうえでも、コミュニケーション能力は必要不可欠である。
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【取材チーム】新井秀幸(専修大学3年)、上間貴大(文教大学3年)、切明莉花(浦和大学短期大学部2年)、佐藤聖也(獨協大学2年)、鈴木翔吾(獨協大学4年)、渡辺善生(大東文化大学2年)