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定義曖昧な自然派・オーガニック化粧品 基準がまちまち
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自然派・オーガニック化粧品の成分例 エコ意識の浸透と敏感肌の増加などから、化学物質をできるだけ使わず、自然にも肌にも優しい化粧品を求める人が増えている。自然派・オーガニック化粧品市場は年々増加し、インターネット中心だった販売も実店舗が増えてきた。一方で、自然派・オーガニック化粧品の定義が曖昧なため、消費者の選択を難しくしている。(村島有紀)
矢野経済研究所(東京都中野区)によると、自然派・オーガニック化粧品の市場は右肩上がりで拡大中。平成19年の734億円から、一昨年は930億円に増え、その後も増加中とみられる。
これまで、自然派化粧品は海外製か小規模ブランドが多く、インターネット上での販売が中心だった。しかし、数年前から大手百貨店などが店頭で取り扱い始めた。
高島屋大阪店(大阪市中央区)は2年半前、自然派化粧品を集めた「ベル ナチュレール」(80平方メートル)を1階化粧品コーナーに開設した。昨年夏に続き、今春も特設会場で催事を開催。体調の変化やストレスを感じやすい30~40代の女性でにぎわった。
15年前に日本で販売を開始した豪州のオーガニック化粧品ブランド「ジュリーク」も現在、全国21の直営店を運営している。「エコやロハス(健康で持続可能なライフスタイル)を重視した生活スタイルが定着。アトピーや敏感肌、乾燥など肌の悩みを抱える人が増えている」(広報担当者)として、今年度は4~5店舗を新たに増やす予定だ。
原料のハーブ(ローズ、ラベンダーなど)は無農薬農法の認定を受けた豪州の自社農園で栽培。化粧品材料の95%以上を自然の成分で作っている。
しかし、自然派化粧品・オーガニック化粧品の定義はなく、消費者からすると選びにくい。植物成分を一部使用したら「ナチュラル化粧品」と名付けて宣伝する化粧品もある。
日本オーガニックコスメ協会(東京都八王子市)の水上洋子代表は「農作物のような統一基準がない。海外の認証も団体によってさまざまで、成分表示や作り方をよく調べて選んでほしい」と指摘する。
こうしたことから同協会では、肌を整えるための整肌成分▽クリームや乳液などのベースとなる油剤▽植物エキスを抽出するための溶剤▽クリーム、乳液類などを滑らかにする乳化剤▽洗顔料やクレンジング、シャンプーなど肌や髪を洗う洗浄成分▽化粧品の保存期間を高める防腐剤▽メーク用品など色を付ける色素▽化粧品の香りを整える香料-の成分例をホームページ(HP)上で公開。
消費者の製品選びの参考資料を提供するとともにアドバイザーの養成講座も開いている。
20年前からオーガニック化粧品を研究している東京都在住の美容家、吉川千明さん(53)は「本物のオーガニック化粧品を使うと、植物の力で肌が元気になる」と指摘。
そのうえで、「環境に配慮した土壌から植物を育てるオーガニック化粧品は大量生産できず、値段も安くない。そのため、作り手の哲学が感じられるブランドがいい。初めて使う場合、基準がまちまちとはいえ、海外の第三者認証はある程度信頼できるので試してみるといい」とアドバイスしている。
ハーブなど天然素材を化粧品の材料にし、化学合成物質をできるだけ使わない▽自然派の中でも環境に配慮し、有機農法で育てた植物を原料にして製造過程も含めて環境に配慮した-化粧品のことを言う場合が多い。基礎化粧品だけでなく、海藻や鉱物を使ったヘアケア用品やメーキャップ用品もある。