SankeiBiz for mobile

ユニクロ春夏コレクション 滝沢直己デザイン・ディレクターに聞く

ニュースカテゴリ:暮らしの余暇

ユニクロ春夏コレクション 滝沢直己デザイン・ディレクターに聞く

更新

 ■天然素材/グレイッシュ/オフィスで

 カジュアルアイテムや機能性肌着などサイズやアイテムを拡充し、大多数に向けて発信し続けるブランドがユニクロだ。今年の春夏ファッション展開について、デザイン・ディレクターの滝沢直己さんに聞いた。(日野稚子)

 ユニクロはブランドコンセプトとして、「LifeWear(ライフウエア)」を掲げています。スポーツウエアでもカジュアルウエアでもない、全く新しい服。五感に訴える服という感じでしょうか。普通のブランドのようにシーズンテーマは特に持たず、アップデートさせる。

 その中で、今回のポイントの一つは天然素材。ヒートテックのように機能素材を前面に出すラインがあるが、麻(リネン)や超長綿(スーピマ)など天然素材の服も作ってきた。日本は湿気の多い国ですが、リネンは肌離れが良く、汗を吸っても乾きやすい、いわゆるドライ機能を備えている。スーピマはスムーズ(滑らか)で肌に優しく快適で、糸も細いから発色がきれいで、合繊にはない色が楽しめる。こうした天然素材でシャツやニット、パンツなどベーシックアイテムをそろえました。リネンは洗濯すると繊維が丸くなっていくので着込んでいくほどに良くなりますよ。

 《ユニクロは豊富なカラー展開が特徴の一つだが、春夏はグレイッシュがテーマになった》

 日陰や木陰で見ると、物の色はグレーがかって性格が変わる感じがする。そうした色を目指してトーンを落としました。肌の上にのったときに美しく見え、結果的に着合わせしやすいように色出ししています。

 《ジーンズやチノパンなどカジュアルアイテムが充実する一方、「オフィスで着られる服」が欲しいという要望も多かった》

 新提案の「スマートスタイルパンツ」は、オフィス環境に合う服を作るプロジェクトから誕生した。長時間座っていても疲れにくい、脱ぎ着しやすい、汗が乾きやすいなどの特徴はユニクロが持つ機能や素材を投入したものです。

 《シャネルのスターモデルとして活躍し、パリジャン・シックの代名詞といわれるイネス・ド・ラ・フレサンジュさんをスペシャルコラボレーターに迎え、女性向けに特別コラボレーションを展開する》

 イネスはセレブと呼ばれるが、家庭の中で生活を楽しむ術(すべ)をよく知っている女性。彼女は「ユニクロの服は(どんなボトムとも合う)バレエシューズのよう」と、全てが顧客発想で生活者発想でした。「本当に女性のウエストラインがキレイに見えるジーンズって意外とない」など、こうした言葉がヒントになっている。女性の体が、どのようにすればきれいに見えるのか。デザイナーが、ビジネスが気づかないことを顧客と話しながら実現した思いだし、ラグジュアリーブランドやデザイナーブランドの次に来る、そんなブランド展開を目指しました。

 《ユニクロで目指すのは「服の着方を変える服」を生み出すこと》

 デザイナーはビジネスとして成功するためにも顧客ターゲットを決める。しかし、ブランドの垣根を越えてミックス(着合わせ)するのが今の時代のファッションだと思う。例えば、上下をデザイナーブランドの服ではなく、ユニクロを着合わせるとセンスがよく見える。そういう服をデザインしたいし、作りたいと思っています。

【プロフィル】滝沢直己

 たきざわ・なおき 昭和35年、東京都生まれ。57年、三宅デザイン事務所入社。「ISSEY MIYAKE」のデザイナーなどを経て、平成18年、「NAOKI TAKIZAWA DESIGN」設立。「SANYO」(三陽商会)ブランドリニューアルなどを手掛ける。23年から現職。

ランキング