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気になる愛犬の臭い シャンプー、歯磨きでしっかりケア
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愛犬の臭い対策には丁寧なブラッシングも大切だ=東京都渋谷区(油原聡子撮影) 小型犬の人気や室内飼いの普及で飼い主が悩むのが愛犬の臭いだ。ペットも家族の一員として気持ちよく暮らすためには臭い対策は重要だ。消臭グッズなどを上手に利用したい。(油原聡子)
犬の臭いに関する悩みで気になるのが、(1)体臭(2)口臭(3)マットなど布製品に移った臭い-だ。
ペットケアグッズなどを扱うライオン商事(東京都墨田区)の獣医師、中村恒彰さんは「犬の体臭は皮脂や角質が雑菌によって分解される過程で出てくる」と話す。シャンプーが効果的だ。しかし、皮膚は新陳代謝が3日程度といわれ、バリアの役目があるため、皮脂の落とし過ぎも良くない。
口臭は歯垢(しこう)や歯石に繁殖した雑菌が原因。犬は歯周病になりやすく、3~5日で歯垢が歯石に変わる。中村さんは「口臭がしたら歯周病予備軍。デンタルケアをきちんと行えば口臭も歯周病も防げる」。
ペットショップ「ピーズファースト青山店」(渋谷区)はペットの購入時、臭い対策について説明している。上江洲美咲店長は「購入時に臭いの相談をするお客さまは多い。臭い対策になるシャンプーもデンタルケアも習慣付けるといいですよ」と話す。
シャンプーは子犬の頃から慣れさせる。暴れたら、犬の肩を押さえると動けなくなり、おとなしくなるという。「嫌がってやめてしまったら、『嫌がればやめてくれる』と覚えてしまう。諦めさせることが大事」と上江洲店長。シャンプーをしない日は消臭効果のあるボディーミストを使ってブラッシングするといいという。
一方、口臭予防のためのデンタルケアはブラッシングが大事。しかし、最初から歯ブラシを使うと犬が怖がってしまうため、徐々に慣れさせていく。口に触れたり、指を入れたりすることに慣れさせてからブラッシングに取り組む。歯磨きガムや口臭予防のジェルなどを利用してもいい。目元の涙焼け、耳、肛門腺の分泌物なども臭いの原因となるため、ケアが必要だ。
上江洲店長は「ペットとは一生涯の付き合い。臭い対策は犬種によって特徴があるため、ペットを飼うときは相談することが大切です」。
上手に活用したいのがペット用の臭い対策グッズ。ニーズに合わせてさまざまな商品が出ている。
小林製薬(大阪市中央区)は昨年、犬の臭い対策用の芳香消臭剤「消臭元 いぬのきもち」を発売。臭いを消しつつ、犬が嫌がらない香りを選んだ。今月17日には無香料タイプも発売する。
臭いが移ってしまい、困るのがタオルやマットなどの布類。ライオン商事は今月、ペット周りの布製品専用の洗剤を発売した。従来の衣料用洗剤では落とし切れないペット特有の臭いをスッキリ落とすことができるという。臭いの元となる皮脂は人間とペットでは違い、ペットの皮脂に作用するよう開発されたという。
猫は犬に比べて体臭は少ないが、糞尿(ふんにょう)対策は重要だ。消臭効果の高いトイレ用の砂や屋根付きのトイレなどを使うといいという。
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飼い主の約半数が、自宅での愛犬の臭いが気になっていることが小林製薬の調査で分かった。調査は昨年10月、室内で犬を飼っている20~60代の男女210人を対象に実施した。
それによると、自宅で愛犬の臭いが気になると答えた人は47.1%。気になる人に、そのタイミング(複数回答)を尋ねたところ、(1)「犬が近づいてきたとき」(52.5%)(2)「犬がいる部屋に入ったとき」(43.4%)(3)「帰宅したとき」(28.3%)-だった。