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W杯で注目 ブラジルの「食」の魅力(上)フード編
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ブラジル料理店「サウダーデ」の人気料理。(右手前から時計回りに)シュラスコの盛り合わせ、フェイジョアーダ、ムケッカ、パルミット。右奥は、モチモチした食感で日本でもおなじみのチーズパン、ポン・デ・ケージョ
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開幕まで1カ月を切ったサッカーワールドカップ(W杯)。熱い注目を集める開催国、ブラジルの食の魅力を2週にわたって探る。まずは「フード」から-。(榊聡美)
「広大な国土を持つブラジルは食文化もさまざまです。総じて調理法や味付けはいたってシンプル。その分、『勢い』があるのが特長です」
日本サッカー協会が入るビル(通称・JFAハウス)にほど近い東京・湯島にあるブラジル料理店「サウダーデ」の店主、吉田貞仁さんはこう説明する。
串刺しの塊肉を豪快に焼いた「シュラスコ」を見れば一目瞭然。「マナーも寛容で、食事は『楽しいからおいしい』という考え方なんです」と吉田さん。
同店の一番人気の「フェイジョアーダ」は、ブラジル人のソウルフードといわれる。牛・豚肉のさまざまな部位やソーセージなどを黒豆と一緒にじっくり煮込む。耳や足など「残り肉」を使う奴隷の料理を起源とする説もある。
水・土曜日の昼食に食べる習慣があるのは、「ブラジル人に聞いても理由はよく分からないのですが、いわゆる『半ドン』で、仕事が早く終わり、おなかいっぱい食べても大丈夫だから、というのが有力です」。
本場では塩漬け肉を使うため、塩気がきつく、脂肪分も多い「がっつり系」の料理。吉田さんは塩漬け肉を極力控え、タマネギなど野菜を倍増させてマイルドな奥行きのある味に仕上げている。これをご飯にかけて食べる。ファロッファ(キャッサバイモの粉)やビネガーソースを混ぜるのが通の食べ方とか。
普段の食事では豆だけ、あるいは豆をタマネギやベーコンなどと煮込んだ「フェイジョン」がよく食べられる。どんな料理にも合う日本のみそ汁のような存在だという。
W杯の開催地、北東部にあるサルバドールの郷土料理「ムケッカ」も看板メニューの一つ。トマトなどの野菜と魚介を煮込んだシチューで、見た目はブイヤベースのような西洋料理。ところが、食べてみると、ココナツミルクの甘みが利いた南国風の味がする。
ヤシの新芽「パルミット」はサラダにして、姫タケノコのような軽い歯触りを楽しむ。
一方、町民の約10人に1人が在日ブラジル人の「日本のブラジル」、群馬県大泉町では、ブラジル原産の白サツマイモ「シモンイモ」が町おこしに一役買っている。
地元の高校や農家が連携して栽培に取り組み、毎年秋に収穫。普通のサツマイモより甘みは弱く、ジャガイモの代わりに煮物やカレーに入れてもおいしい。
栄養価が高く、「とりわけてカルシウムやカリウムなどのミネラル、ビタミンK・B群が豊富です」と、大泉町観光協会副会長の宮下善雄さんは話す。
このイモを使って商品化したお茶と本格焼酎は同町の新名物になっている。
ブラジル関連の食品も続々とお目見えする。
日清食品(大阪市淀川区)は、シュラスコをイメージした「ブラジリアンチキン」味のカップヌードルなど3品を新たに発売。エースコック(大阪府吹田市)は、ムケッカをスープにしたカップ入りの「旅するスープ ブラジルトマトシーフード味スープ」を投入する。協同乳業(東京都中央区)からは、練乳を使った濃厚な味わいの「ブラジルプリン 練乳カスタード」も(商品はいずれも今月26日に発売予定)。
いかにもスタミナがつきそうなブラジル料理は、日本では暑くなるこれからの時期にぴったりの料理といえそうだ。