SankeiBiz for mobile

風邪の季節に高まる需要「機能性ヨーグルト」 免疫力の向上や整腸作用

ニュースカテゴリ:暮らしの健康

風邪の季節に高まる需要「機能性ヨーグルト」 免疫力の向上や整腸作用

更新

健康食品としてますます注目されるヨーグルト  ヨーグルトがブームとなっている。もともと健康食品として人気だが、特定の機能を持つ乳酸菌を含む「機能性ヨーグルト」が次々に登場し、売れ行きも好調だ。インフルエンザや風邪が流行する冬を前に、乳酸菌摂取で免疫力アップを図ろうという人も多いようだ。

 毎朝の食習慣

 女優の水野真紀さんは健康のため、毎朝、ヨーグルトを食べている。

 「食習慣を通じて健康を維持できたり、ヨーグルトを食べて免疫力が高まったりするなら、こんなにいいことはありません」

 朝早く撮影現場に向かうときも欠かさず、移動の車中で取る。砂糖などは入れず、黒すりゴマをトッピングするのが水野流だ。

 水野さんは学生時代、ダイエットをきっかけに料理学校に通い、調理師免許を取得。食習慣を意識し始めたのは、女優として脚光を浴び忙しくなった20代だった。長く活躍を続けるには気力・体力をいかに維持するかが大切だと考えた。「今日食べたものが10年後に影響すると思ったのです」と水野さん。

 インフルエンザの流行が気になるこの時期、1児の母として家族の健康にも気を配る。「手洗い、うがいはもちろん、ヨーグルトが予防にいいと聞き、意識して家族で食べています」

 市場拡大が続く

 ヨーグルトブームの背景には、こうした消費者の健康意識の高まりがある。牽引(けんいん)するのは特定の機能を持つ乳酸菌を加えた機能性ヨーグルト。免疫力を高めるとされる「1073R-1乳酸菌」を使った「明治ヨーグルトR-1」が平成24年にマスメディアで紹介されたのがきっかけで大ヒット。乳酸菌の健康効果や機能性ヨーグルトの認知度が高まった。

 富士経済(東京都中央区)の調査によると、横ばい状態だったヨーグルトの市場規模は機能性ヨーグルトが商品化されはじめた21年から拡大の一途。R-1がヒットした24年は販売額(出荷ベース)が前年比12%増の2915億円と大きく伸びた。

 その後も、雪印メグミルクの乳酸菌「ガセリ菌SP株」、森永乳業の「ビフィズス菌BB536」やタンパク質「ラクトフェリン」など、免疫力の向上や整腸作用などをうたった乳酸菌やタンパク質が配合されたヨーグルトの新商品が登場した。

 需要の高まりを受け、メーカー各社は今年も新製品を投入しており、選択肢が増えている。

 ■ワクチンと併用で効果アップ

 体にいいと昔から言われていたヨーグルトは、食べると免疫が上がると考えられていた。そのメカニズムが解明されてきている。

 順天堂大大学院の竹田和由准教授(免疫学)は「ヨーグルトに含まれる乳酸菌の作用で、体内にある免疫細胞のナチュラルキラー(NK)細胞が活性化され、いろいろな病気になりにくくなる」と、乳酸菌摂取によるNK活性の効果を指摘する。

 免疫には、生まれながらすぐ働けるように備わった「自然免疫」と、予防接種などで得られる特定の病気がターゲットの「獲得免疫」がある。NK細胞は自然免疫を担う代表的な細胞。活性化で自然免疫が上がる。ただ、病気の治療や完全な予防には獲得免疫が必要だ。最新の研究では、乳酸菌摂取とインフルエンザのワクチン接種を併用することでインフルに対する抗体が増え、獲得免疫も上がることが分かってきた。

 竹田准教授は「併用すれば、ワクチンの効果も強くできるのではないかと考えられる。ヨーグルトは獲得免疫を上げる力も応援してくれる」と話している。

ランキング