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【エボラ出血熱】「国際社会はエボラ対処失敗」 国連安保理が警告 支援の劇的拡大訴え

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【エボラ出血熱】「国際社会はエボラ対処失敗」 国連安保理が警告 支援の劇的拡大訴え

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【エボラ出血熱】感染が確認された国と、国内で患者が死亡した国=2014年10月15日現在  エボラ出血熱の感染拡大が止まらず、欧米での二次感染も確認され、対応が鈍かった先進国も連携と支援に本腰を入れだした。バラク・オバマ米大統領(53)は15日、米国内で医療関係者からエボラ出血熱の2人目の陽性反応が出たことを受け、中間選挙の遊説を急遽取りやめ、ホワイトハウスに関係閣僚を招集し緊急対策会議を開いた。国連安全保障理事会も国際社会が「適切に対処することに失敗している」との異例の報道声明を発表。感染拡大の速さに対応が追いついていないとの深刻な危機感を示した。

 米が連携強化要請

 オバマ氏は会議後、「より精力的に対応せねばならない」と記者団に述べ、二次感染の拡大阻止策を急ぐ考えを示した。さらに国際社会の連携の重要性も指摘し、安倍晋三首相(60)に電話で「より大きな支援」を要請したことを明らかにした。また英国、フランス、ドイツ、イタリアの首脳ともテレビ会議で協議し、各国の一層の協力によって感染拡大に歯止めをかける考えを強調した。

 安保理の声明は「アフリカにおける前例のない規模のエボラ熱の蔓延(まんえん)」に改めて深刻な懸念を表明し、こうした状況が「国際平和と安全に対する脅威」に当たると重ねて指摘。患者の隔離設備や医療スタッフらが使用する防護装備の提供、資金拠出などの支援を「加速し、劇的に拡大するよう促す」と加盟国や関係機関に訴えた。

 英仏の危険指摘

 世界保健機関(WHO)は15日、エボラ出血熱の感染者(疑い例を含む)が12日までに米国を含む計7カ国で8997人に達し、4493人が死亡したと発表した。米疾病対策センター(CDC)によると、米国で2人目の陽性反応を示したのは、エボラ熱で死亡したリベリア人男性の治療に関わったテキサス州ダラスの病院の女性看護師(29)。発症前日の13日に米国内線の航空機に搭乗していたことも判明し、CDCは乗客約130人の健康状態の調査に乗り出した。

 スペインでは先週、マドリードの病院で、リベリアから搬送されて死亡したエボラ熱患者の治療に当たった女性看護師(44)の感染が確認。ドイツでは14日、ライプチヒの病院で、リベリアで勤務していたスーダン国籍の国連職員の男性(56)が死亡している。WHOは15日、西アフリカ諸国と人物往来が活発な英国とフランスで今後、感染が広がる危険性を指摘。欧州連合(EU)は16日、緊急の保健相会議を開き、空港での検査態勢強化について協議した。

 未承認薬活用も

 医療従事者の安全確保も急務になっている。WHOの15日の集計によると、エボラ熱の感染が深刻なリベリア、シエラレオネ、ギニア、ナイジェリア4カ国でこれまでに400人以上の医療従事者の感染が確認され、計236人が死亡した。感染への恐怖から仕事を辞める人も多く、リベリアでは労働条件向上を求めて医療従事者らのストライキも起きた。

 日本でも、全国の空港や港の検疫所で水際対策を強化する一方、国内での患者発生に備えた対策を進めている。38年前に最初の集団発生がアフリカ中部で確認されながら、エボラ熱に対する有効なワクチンや治療薬は開発されていない。そんな中、今回、海外で患者の治療に富山化学工業のファビピラビルが使用された。この薬は国内で新型インフルエンザ治療薬として承認されたもので、厚労省は今後、使用に際しての枠組みを決め、実際に治療に当たる医師に助言するとしている。(SANKEI EXPRESS

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