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「私はエボラだ」機内パニック 米国際空港で検疫強化、隔離騒動頻発

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「私はエボラだ」機内パニック 米国際空港で検疫強化、隔離騒動頻発

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エボラ出血熱の感染が確認された国=2014年9月5日現在  西アフリカから世界各地に飛び火し始めたエボラ出血熱の感染拡大を水際で防ぐため、米国境警備当局と疾病対策センター(CDC)は11日、ニューヨークのケネディ国際空港で入国者の体温を測定するなど検疫の強化に乗り出した。1週間以内に他の4空港でも始める。米国では、入国したリベリア人男性がエボラ熱を発症して死亡し不安が一気に拡大。12日には男性の治療に当たった病院のスタッフがエボラ熱陽性と診断された。空港や航空機内では体調不良を訴えた人が隔離される事態が頻発。冗談で「私はエボラだ」と叫んだ男性が連行される騒ぎも起きており、パニック拡大が懸念されている。

 経由便から乗客特定

 「明らかにクレイジーだと思ったよ。僕は2時間も待たされた」。西アフリカのギニアからパリ経由でケネディ空港に到着したインディアナ州の男性(22)は、ロイター通信にこう呆れてみせた。

 対象となるのはエボラ熱感染が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国からの入国者。税関や国境警備局(CBP)の職員が、健康状態やエボラ患者との接触の有無などを質問し非接触型の体温計で測定も行う。3カ国から米国への直行便はないが、経由便から乗客を特定する。

 1日当たり150人程度で、うち半数がケネディ空港に到着。ニューヨーク近郊のニューアーク、ワシントン近郊のダレスなど4つの国際空港でも行い、3カ国からの入国者の94%をカバーできるという。

 医療スタッフ「陽性」

 ただ、エボラウイルスは潜伏期間が7日程度あり、検疫強化の効果を疑問視する声は多い。実際、米テキサス州で8日死亡した男性はリベリア国内で感染し入国後に発症しており、リベリアで行われている出国時の体温測定をすり抜けた。

 CDCの検疫部門の責任者、マーティン・シトロン氏も11日の会見で、「どんな対策を取っても危険性をゼロにはできない。今の方法では死亡した患者を発見できなかったことは分かっている」と、認めざるを得なかった。

 さらにテキサス州保健当局は12日、医療スタッフの陽性診断を発表した。確認されれば、米国内での初めての感染事例となる。すでにスペインでは、帰国患者を治療したスタッフの感染が確認されている。

 連行…笑えない冗談

 不安を背景に、空港や機内では感染疑いによる隔離騒動が頻発している。ロイター通信などによると、4日夜、ベルギー・ブリュッセル発の米ユナイテッド航空機内でリベリア人の男性乗客が嘔吐したため、ニューアーク国際空港に着陸後、防護服を着た係官が乗客を退避させ、一時隔離。8日には女性乗客の嘔吐でアメリカン航空機がテキサス州の空港に緊急着陸。10日にもデルタ航空機内で乗客が体調不良を訴えたため、到着したラスベガスの空港で飛行機ごと駐機場に一時隔離された。

 極め付きは、8日に起きた騒動。米CNNテレビによると、米フィラデルフィアからドミニカ共和国に向かったUSエアウェイズの機内で米国人男性が「私はエボラだ。みんな巻き添えだ」と叫び、到着後に防護服を着た係官に連行された。機内は一時騒然としたという。

 「エボラ熱パニックが広がり、不必要な通報が殺到すれば、救急システムがパンクする」。救急医療の専門家はロイター通信にこう警告した。

 過剰反応で航空機による世界的な人の移動に支障が及ぶ事態となれば、世界経済の停滞にも発展しかねない。(SANKEI EXPRESS

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