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増税先送りで暮らしどうなる 子育て支援に影響か… 車、住宅は?

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増税先送りで暮らしどうなる 子育て支援に影響か… 車、住宅は?

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子育て支援策には、消費再増税による増収分を充てる予定だった。保育所定員増などの準備を進める自治体の間では戸惑いも(本文と関係ありません)  衆院解散を表明した安倍晋三首相は、来年10月に予定していた消費税率10%への再増税について、平成29年4月まで1年半先送りする考えを示した。再増税を前提にした政策は子育てなどの社会保障や住宅、車の購入などに関わるため、先送りの影響が暮らしに出そうだ。(村島有紀、兼松康)

 保育の質改善

 消費税率引き上げによる税の増収分は、全額が社会保障の財源に使われる。来年度予算でサービスの充実にあてられる額は、税率が予定通り来年10月に10%に引き上げられた場合は1・8兆円強。しかし、引き上げが先送りされて8%のままだと1・35兆円にとどまる。

 社会保障費は10%への引き上げ分を財源とする政策も多く、再増税が延期されると子育て支援や低年金者への給付金などの財源確保が難しくなる。

 再増税の先送りで影響を受けるとみられる政策の一つが、来年4月に始まる「子ども・子育て支援新制度」だ。消費増税による増収分から約7千億円を回すことになっていた。保育所の入所待機児童解消や保育の質の改善などにあてられる予定だが、再増税が先送りされると質の改善部分に影響が出る可能性がある。

 財源確保のため、消費税以外の一般財源や、償還確実な財源がある場合に発行できる「つなぎ国債」から捻出する方法も考えられる。新制度を所管する内閣府の担当者は「影響がないよう予算を確保したい」とするが、準備を進める自治体には戸惑いが広がっている。

 横浜市の担当者は「国から特に連絡がないので、どのような影響があるのか分からない」と困惑する。大阪市の担当者は「少子化対策は喫緊の課題で、保育士の新規募集や給料アップをすでに予定している施設もあるようだ。つなぎ国債を発行してでも、影響がないようにしてほしい」と注文を付けた。

 車、住宅購入

 税負担の大きい買い物の一つが自動車だ。車を購入した人に課税され、消費税との二重課税との批判もある自動車取得税の廃止が、消費再増税に合わせて予定されていた。例えば、300万円の新車の自家用車を購入した場合、約8万1千円が自動車取得税としてかかる。

 コンパッソ税理士法人グループの白井輝次税理士は「再増税に連動して自動車取得税は廃止される予定だった。先送りされたら、廃止も延期というのが常識的な線だろう」とみている。

 再増税に伴い実施予定だった政策の一つは、住宅を購入した人を対象とする現金給付制度「すまい給付金」の拡充策だ。税負担増の軽減を目的として、税率が8%に引き上げられた今年4月に導入され、住宅購入者は収入に応じて最大30万円を受給できる。

 受給するには住宅ローン減税の適用を受けるための確定申告とは別に申請手続きが必要で、手間はかかるものの制度を利用した住宅購入者は少なくない。税率10%への再増税時には受給額を同50万円に増やすなど拡充される予定だったが、再増税が先送りされると拡充も延期となりそうだ。

 ただ、給付金があっても税負担に追いつかないのが実情で、住宅業界では特定の品目の税率を下げる軽減税率の導入を求める声が根強くある。

 ある業界関係者は「日本では住宅に軽減税率が適用されないので、消費税率が8%の現状でも住宅にかかる税率としては他の先進国に比べて高い。消費者の痛税感を緩和するには早く導入すべきだ」と話す。

 ■消費税率10%への引き上げを前提としていた主な政策

 子育て   保育所待機児童の解消の推進、学童保育指導員の人件費アップ

 自動車   自動車取得税の廃止

 住宅    すまい給付金の拡充

 医療・介護 国民健康保険に対する財政支援、介護職員の給与増、低所得者の介護保険料軽減

 年金    低所得高齢者・障害者などへの福祉的給付、年金をもらうのに保険料支払いが必要な受給資格期間の短縮

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