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治療薬のいらない体が最善 大和田潔

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの科学

治療薬のいらない体が最善 大和田潔

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 【青信号で今週も】

 薬を使わない体に戻るのも、メタボを解決していく目標の一つです。治療薬の開発が進み、高血圧や糖尿病、高脂血症などは、それぞれ適切な薬剤で治療することができるようになりました。採血の数値を改善させたり、血圧の計測で正常化させたりすることができるようになりました。未治療な方よりも、治療薬で採血や血圧の数値を改善させた方が合併症のリスクが下がるのも確かなことです。

 同時に大切なことを覚えておく必要があります。未治療で放置するよりも、きちんと治療した方がリスクは下がる。けれども、そもそも治療が必要ないカラダには追いつけない、という事実です。例えば、降圧剤を内服して正常血圧になっている人と、もともと正常血圧の人では、正常血圧の人の方がリスクは低い。体の中に血圧を上げるメカニズムが発動している場合、血圧上昇というのは現象の一つに過ぎません。他にも高血圧のカラダには血圧以外の計測できない不都合なことが多方面に起きています。

 先日、都内で高脂血症の研究会が開かれました。血液中を流れるさまざまな脂質の違いが、心筋梗塞や脳梗塞の発症率に深く関わっているという発表でした。職場の検診のコレステロール値やLDL値といった血液検査データに一喜一憂された方も多いでしょう。まだ保険適用にはなっていませんが、脂質の内容を詳細に調べることで、より厳密に合併症のリスクが予測できるようになったというお話でした。

 その研究会で、ある先生に「薬剤で数値を改善させるよりも、運動や食事で、薬剤が必要ない体を取り戻す方が大切ですよね」と質問しました。すると、「確かにその通り。でも、そもそも患者さんがメタボを治すなんて不可能。だから、医師は数値目標を達成するまで積極的に早期から治療薬を処方すべきだよ。できないことを待つよりも、攻めの処方だよ」というご返事でした。

 診療時間の少ない中で、合併症の発症リスクを下げるためには、こういった方針にならざるを得ないのだろうとも考えましたが、複雑な思いでした。できるだけ治療薬が要らないカラダを取り戻すという最善を目指して、頑張っていくことにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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