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広がるスマホ向け動画配信
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一段と高性能化して普及が進むスマートフォン(高機能携帯電話)向けに、映画やドラマといった動画を毎月定額で配信するサービスが広がっている。DVDを借りなくても、いつでもどこでも好きなものが見放題という利便性とお得感が人気だ。米国企業や国内の携帯電話各社は顧客拡大にしのぎを削っている。
東京都内に住む主婦の木村美香さん(30)は、「Hulu(フールー)」という動画配信サービスに加入した。ほぼ毎日、夫の帰りを待っている間や寝る前などに、スマホで欧米の映画やドラマを見ている。
「テレビは似たようなバラエティー番組が多くて、あまり面白くない。このサービスは内容が豊富で気に入っています」。外で友人と待ち合わせるときにも、ドラマの続きを簡単に見ることができて便利という。
このサービスは、米国のインターネット向け動画配信会社フールーが2011年9月に始めた。月980円で1万本以上のコンテンツを提供する。どの携帯電話会社のスマホ、タブレット端末でも利用できて、パソコンや家庭用ゲーム機による視聴も可能だ。
「日本で放送されていない海外の人気ドラマなどを配信すると、反響が大きい。日本は娯楽作品への感度が高い市場で今後も力を入れていく」とフールーのバディ・マリーニ日本代表は話す。会員数は非公表だが、順調に拡大しているという。
NTTドコモが11年11月に開始した契約者向けサービス「dビデオ」は、月525円で約8万2000本という豊富なコンテンツを見られる。会員数は急拡大しており、今年8月で460万人。NTTドコモのスマホ契約数2050万件(6月末時点)の2割以上を占める。「会員数の増加は想定以上のペース」とスマートライフビジネス本部の前田義晃マーケットビジネス推進部長。「スマホは大画面化、高画質化が進んでおり、映画などを十分に鑑賞できるようになった。市場はさらに伸びる」とみている。
エイベックス・グループ・ホールディングスの子会社UULAは今年2月、ソフトバンクモバイルのスマホ向け画像配信サービスを始めた。月490円で、音楽ビデオも豊富なコンテンツは6万本以上。会員数は8月末で68万人に達した。KDDI(au)も月590円のサービス「ビデオパス」を昨年5月から展開している。
野村総合研究所ICT・メディア産業コンサルティング部の三宅洋一郎上級コンサルタントは「携帯各社がスマホ購入時に配信サービスを勧めていることも会員増加の背景にある」と指摘。継続して利用してもらうには、「外出先で親子が一緒に楽しめるものなど、携帯端末向けならではのコンテンツの開発が重要だ」と話している。(SANKEI EXPRESS)