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【台風26号】「痛恨」避難提案生かせず 伊豆大島 死者22人、不明27人に

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【台風26号】「痛恨」避難提案生かせず 伊豆大島 死者22人、不明27人に

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 台風26号による記録的な豪雨と土石流で甚大な被害を受けた東京・伊豆大島(大島町)で、警視庁や東京消防庁、自衛隊陸上自衛隊や警視庁などは10月17日、約1100人態勢で安否不明者の捜索を続けた。警視庁などによると、死者は計22人となり、27人が不明。被害が広範囲に広がっているうえ、大量の土砂やなぎ倒された樹木、家屋のがれきに阻まれ、捜索は難航している。大島町の川島理史町長は17日の会見で、避難勧告を出さなかったことについて、「痛恨の極み」と謝罪した。東京都や気象庁は町に住民避難などを検討するよう伝えていた。

 2日目を迎えた災害現場では、生存率が極端に下がるとされる発生から72時間が迫るなか、懸命の捜索が行われた。しかし、道路が寸断されて重機を搬入できないだけでなく、不明者の安全を考えて、慎重な手作業を余儀なくされている。

 手作業難航する捜索

 「ガラス片などが散乱し、むやみに掘り返したら生存者を負傷させてしまう」。約280人の陸自隊員は、山麓寄りの神達地区などで活動。がれきの山に大きな声で呼びかけながら、チェーンソーで倒木などを切断し、シャベルで土砂を取り除く地道な作業を繰り返した。

 警視庁は東日本大震災を機に発足した特殊救助隊を災害現場に初めて派遣。16日から島西部の丸塚地区で、がれきに体の大半が埋まった状態でみつかった女性(76)の救出活動にあたった。しかし、女性の体に何重にも絡みついた倒木や家屋の柱を取り除くのに苦戦し、17日午後2時前に引き出すことができたが、死亡が確認された。特殊救助隊の矢川功二隊長は「隊員は厳しい条件下で最善の努力を尽くした。救出できなかったのは非常に残念だ」と、肩を落とした。

 町役場で行われた会見では、避難勧告が出されなかったことについて、川島町長が「自治体の長の判断であり、おわびしなくてはならない」と、謝罪した。町長は島根県に出張中で、16日午前3時すぎに、総務課長から電話で状況報告を受けたが、避難勧告や指示を出す判断を下さなかった。

 ハザードマップなし

 避難勧告をめぐっては、15日午後6時5分に、気象庁が町に土砂災害警戒情報を出した直後、都総合防災部が「必要があれば避難などの対策を取ってください」と電話していた。16日午前0時と0時52分にも、気象庁から都に「尋常でない雨が降っている。土砂災害に一層の注意を」などと電話やファクスがあり、都はその都度計3回、町に連絡したという。土石流は午前2時から3時ごろに発生しており、対策が後手に回る結果となった。

 また町の地域防災計画には住宅被害が周辺で集中した「大金沢」をはじめ島内40カ所について、「土石流危険渓流」と明記されていた。しかし、町は土砂被害のハザードマップを作成しておらず、住民に周知されていなかった。

 川島町長は「避難勧告や指示を出していれば助かった人がいるかもしれない」と悔やみ、町の対応の誤りが被害を拡大させたことを否定しなかった。(SANKEI EXPRESS

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