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金融庁、3メガバンク一斉検査 信認回復へ 問題融資の実態解明

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金融庁、3メガバンク一斉検査 信認回復へ 問題融資の実態解明

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 みずほ銀行が暴力団関係者への融資を放置していた問題で、金融庁は11月5日、三菱UFJ、みずほ、三井住友の大手銀行3グループに対し一斉検査に入った。みずほグループに対しては、前回検査で事実と異なる報告をした経緯を追加で調べる。金融庁は検査結果を踏まえ、みずほへの措置を検討するが、追加の行政処分に踏み切る可能性が高い。

 一斉検査の対象は3グループの持ち株会社と、それぞれの傘下にある三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行。組織の情報共有体制や中小企業への資金供給状況を点検する。

 みずほへの追加検査は専従検査官が調査にあたり、10月28日に金融庁に提出した業務改善計画の実施状況を検証する。みずほが前回検査で「(問題融資の)情報は担当役員止まりだった」とした説明が、意図的な隠蔽(いんぺい)だったかどうかについても独自に調べる。

 ≪信認回復へ 問題融資の実態解明≫

 金融庁が11月5日、みずほ銀行に対する異例の追加検査に踏み切った。暴力団員らへの融資を放置していた問題を重くみただけではない。事実と異なるみずほの説明を見落とすという監督官庁にあるまじき“失態”に、国会や世論の批判が高まっているためだ。

 昨年12月から今年3月まで行われたみずほに対する検査で、金融庁は直近の資料しか精査せず、みずほの「情報は担当役員止まりだった」との説明をうのみにした。

 金融庁の検査に対する事実と異なる説明が「銀行として一番やってはいけない話」(麻生太郎金融担当相)なのは間違いない。ただ、金融庁が過去の資料を調べていれば、問題融資がみずほ銀行の取締役会に報告されたことも把握でき、みずほの「うそ」を見抜けた可能性が高い。

 金融庁は9月、成長企業への資金供給を後押しするため、銀行検査の方針を転換。検査を厳格化し、「銀行のあら探し」(幹部)をする手法から、各行の自主性を重んじるやり方に改めたが、結果的にそれが裏目に出た。今回の再検査で、問題融資の実態や検査のあり方を検証できなければ、「金融“育成庁”から“処分庁”へ逆戻りしかねない」(幹部)との危機感は強い。

 国会では金融庁の責任を問う声がくすぶっている。金融庁はみずほを含む大手銀行3グループに法令順守体制を厳しく迫ることで、問題融資の再発防止と自らの信認回復につなげたい考えだ。(小川真由美/SANKEI EXPRESS

 ≪ジャックスも不適切取引 提携ローン曲がり角≫

 信販会社ジャックスは11月5日、提携ローンで暴力団関係者ら反社会的勢力への取引が数件確認されたことを明らかにした。茂木敏充経済産業相(58)は5日、信販会社18社に対する大規模な実態調査に乗り出すと表明した。金融界で普及した提携ローンのあり方が、顧客審査や取引解消をめぐって、曲がり角を迎えている。

 茂木氏は5日の記者会見で「提携ローンを行う全信販会社に割賦販売法に基づく報告を求めていく」と述べた。反社会的勢力との取引の有無や法令順守態勢について報告を求め、悪質な場合は処分を検討する。

 提携ローンの市場規模は4兆円程度とされ、みずほ銀で問題になったオリエントコーポレーションが1兆円超を占める。先月(10月)末には信販大手アプラスでも問題融資が表面化している。

 提携ローンは約30年前から銀行や保険会社で広がってきた。銀行などが出資元となり、信販会社は資金調達が容易となる利点がある。銀行など出資側にも、焦げ付いた債権を信販会社が肩代わりするメリットがあり、普及してきた。

 しかし、オリコとの提携ローンでは地銀9行が取引停止済みか取引停止を検討中。審査を信販会社まかせにする仕組みを見直す動きが広がっている。「かつては安定した運用手段だったが、今後も続ける必要があるか疑問」(保険大手)などの声も漏れる。今後、審査や取引解消に要するコストが増大すれば、金融機関は選択を迫られそうだ。(塩原永久/SANKEI EXPRESS

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