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中国「3中総会」閉幕 「脱輸出依存」 問われる指導部手腕

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中国「3中総会」閉幕 「脱輸出依存」 問われる指導部手腕

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中国・首都北京市、上海市  ≪裁判所の独立明記≫

 中国の中長期的な経済政策を方向づける共産党の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)が11月12日、「全面的な改革深化に関する若干の重大問題の決定」とのコミュニケを採択し、閉幕した。国営新華社通信が伝えた。

 習近平指導部が掲げてきた「反腐敗」への対応として、コミュニケには「独立かつ公正な裁判権と検察権の行使を確保しなければならない」として、裁判所の独立が盛られた。地方の党委員会書記ら幹部が裁判の審理や判決に介入する現状の打破が、汚職問題解決の第一歩と判断したようだ。

 経済政策では「社会主義市場経済」制度を堅持する一方、資源配分では市場が決定的な役割を果たすとし、規制緩和や国有企業改革などで前向きの姿勢をみせた。半面、国家安全委員会の新設といった国内の統制強化とも受け取れる方針も打ち出した。コミュニケは、改革全般を推進するために「指導グループ」を設置するとしている。

 3中総会の直前には、北京の天安門前での車両突入事件と、山西省の共産党委員会庁舎前での連続爆発事件が発生した。また、各地からきた多数の陳情者が北京で抗議行動を行った。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS

 ≪「脱輸出依存」 問われる指導部手腕≫

 輸出や投資に頼った中国の高度経済成長路線が行き詰まる一方、貧富の格差や少数民族政策などで社会矛盾への不満が高まる中、11月12日に閉幕した3中総会では、安定成長への経済政策の転換と富の再配分が最大の焦点だった。

 改革深化の起点

 最終日に採択された「全面的な改革深化に関する若干の重大問題の決定」においては、議論の過程で硬直化する金融や財政制度、行政制度の見直しのほか、既得権益層となって民業を圧迫し、「国進民退」と揶揄(やゆ)される国有企業の改革などがテーマとなっていた。

 1978年の第11期3中総会で●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)氏(1904~97年)が主導して定めた「改革開放政策」からの35年を総括。今回の3中総会を「全面的な改革深化の新たな起点」(11月12日付人民日報)と位置付けている。改革開放路線では、海外からの投資と技術の導入を解禁し、主に人海戦術で製造業を振興。輸出で外貨を稼ぐ成長手法だった。

 日米欧などあらゆる製造業が進出し、中国は「世界の工場」と呼ばれたが、人民元の為替レート上昇や人件費の高騰などで、安価な製品の輸出攻勢が難しくなり、昨年は13年ぶりに成長率が8%を下回った。“脱輸出依存体質”がカギとなり、昨年11月発足の習近平指導部は安定成長へ、規制緩和や所得向上で個人消費など内需を通じて経済を活性化し、サービス業や金融に軸足を移した内需型の発展モデルに転換を図る。

 抵抗勢力反発も

 当面は不動産価格の安定を通じ、「シャドーバンキング(影の銀行)」が関与する地方政府などによる不良債権問題の顕在化を抑える。既得権益層など国内の抵抗勢力の反発も予想される中で、習指導部がどこまで構造改革を実行に移せるか手腕が問われる。改革の行方は世界経済や日本企業にも影響を与えそうだ。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS

 【3中総会コミュニケ骨子】

・国家安全委員会を創設し、国家安全体制と安全保障戦略を整備

・市場が資源配分で決定的な役割を果たす

・改革を深化

・独立した公正な裁判権と検察権を確立し、健全な司法制度を整備

・政府と市場の関係を正しく処理

・公有制を主体とした各種の所有制度が社会主義市場経済の重要な柱

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