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日本のしょうゆに注目 とんこつブレーク 青木冨美子さんが紹介する香港のホットスポット
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ハッピーヴァレー店「正斗」の焼そばとキッコーマンしょうゆのコラボレーション=11月6日、中国・香港(青木冨美子さん撮影)
食の都・香港。SANKEI EXPRESSでコラム「ワインのこころ」(木曜日掲載)を連載中のワインジャーナリスト、青木冨美子さんが今月(11月)6~9日にかけて香港を訪れた。青木さんのガイドで、現地での日本企業の奮闘や最新ワインショップなど、旬の外食事情を紹介する。
国際都市“香港”への来訪者は年間約4800万人! 日本食や日本への好感度が高い香港は、今まさに観光シーズン。おいしい季節である。
香港国際空港やアイコンビルIFCなどの主要エリアに5店舗を構える『正斗』は、地元民や中国本土からの観光客から愛される香港の老舗の麺粥屋。大手しょうゆメーカーのキッコーマンは10月1日から12月上旬まで正斗全店舗と組んでキャンペーンを実施している。料理名はキッコーマンを意味する“萬字(まんじ)”を記した「萬字醤油 ●(=豆の右に支)油皇炒麺(まんじじょんやう・しーやううぉんちゃーみん)」と「萬字醤油 ●(=豆の右に支)油皇煎腸粉(まんじじょんやう・しーやううぉんちんちょうふぁん)」の2品目で、料理と一緒に卓上濃口しょうゆの画像もオンメニューされている。両品とも炒め系の料理で、しょうゆの香りを生かした、現地のしょうゆでは出せない繊細な味わいの逸品である。
キッコーマンでは2000年以降、中・高所得者層が利用する高級スーパーでの試食販売を定期的に行い、成功している。杉浦健駐香港代表は「香りで集客し、見た目で刺激し、うまさで魅了して販売につなげる」とコメント。調理を簡素化するための、国内で訴求していた「しょうゆとみりん1:1」を08年頃から香港でも水平展開し、香港人から信頼されている日本ブランド=高品質・安心安全を実証している。
香港におけるキッコーマンのブランド戦略は、日本食に欠かせない調味料として定着するだけでなく、現地の中華料理にも合うおいしいしょうゆとして広く認められ使われるようになることであり、香港の後ろに控える中国市場を見据えて行動している。
今年7月、福岡を拠点に全国で約50店舗を営業している天然とんこつラーメンの『一蘭』が、香港の若者に人気の繁華街Causeway Bay(コーズウェイベイ、銅鑼灣)に海外1号店をオープンした。香港初の24時間営業で、基本的には食材も日本から調達。店内も日本と同じスタイルで、カウンターの左右が仕切られた独自の味集中カウンターを導入している。
これは香港人に斬新なイメージを与えたようで、大いに話題になった。開店して3カ月ほどは連日2時間待ちが続き、最近では若干落ち着きが見られるものの、私が訪問した22時過ぎでも、20人ほどが順番待ちをしていた。食べるためには待つ覚悟は必要だが、並ぶ価値ありのホットスポットである。
最後は、やはりワイン。コーズウェイベイの『SOGO』の対面に、昨年8月完成したハイサンプレイスビル。この地下に地場系ハイエンドのスーパーマーケット『Jasons(ジェイソンズ)』がある。スーパーマーケット内のワインショップを何軒かチェックしたが、ここのワインコーナーにはワイン好き女子の気をひく要素がいっぱい詰まっている。とにかくおしゃれ! 当日は店内中央にヴーヴ・クリコとピンクのシャンパンボックスを飾り、木箱を多く利用した飾りつけが店舗全体を上品に盛りあげていた。日本酒の品ぞろえも充実。シャンパンが一番売れるクリスマスから年末にかけてのディスプレーでは、華やかさがさらに期待できそうだ。(SANKEI EXPRESS)