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秘密保護法きょう成立 「表現の自由」「知る権利」不安残す

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秘密保護法きょう成立 「表現の自由」「知る権利」不安残す

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 難航の末、特定秘密保護法の成立が固まった。機密保全の強化に不可欠な同法だが、「表現の自由」や「知る権利」などをめぐって国民の不安が残されたままの成立となる。

 最後までもめたのが、特定秘密の指定や解除をチェックする「第三者機関」の設置付けだった。安倍晋三首相(59)は12月4日、各省庁の事務次官らによる「情報保全監視委員会」と、外部の民間人による「情報保全諮問会議」、公文書の廃棄の適否を判断する「独立公文書管理監」ポストの新設を表明した。この3点セットで「第三者機関的役割」を担う考えを示した。

 だが、衆院で与党と法案修正に合意した日本(にっぽん)維新の会とみんなの党は反発し、「独立で公正な立場」の機関設置を要求した。これを受け、5日午後の参院国家安全保障特別委員会で菅義偉(すが・よしひで)官房長官(64)が内閣府に20人規模の「情報保全監査室」の新設を表明。矢継ぎ早の対応となった。

 政府は、いずれも特定秘密保護法の施行までに設置する考えだが、4組織の役割分担などは不透明なままだ。

 秘密指定は「行政機関の長」に権限があるとした上で、施行から5年間指定をしない機関は指定資格を失うとの付則が盛り込まれた。官僚の裁量で秘密がむやみに拡大する懸念もある。「知る権利」をめぐる懸念は、審議での閣僚答弁のブレも加わり、くっきりと晴れてはいない。

 恣意(しい)的との批判を避けるためにも、政府には今後も丁寧な説明と真摯(しんし)な運用が必要となる。

 ≪有力な抑止力になる 佐々淳行・初代内閣安全保障室長≫

 「防衛機密など国家の安全保障に関わる情報を漏洩(ろうえい)してはいけないと法律で決まることは大きい。罰則もかなり重い。相当有力な抑止力になるだろう。私が警察庁や防衛庁に勤めていたころ、外国の情報機関から「日本に話すと2、3日後に新聞に出てしまう」と言われたことが何度もあった。官僚や政治家がマスコミに話してしまうからだ。漏れるたびに顔をしかめて「だから教えられない」と言われたものだ。

 特定秘密保護法のない国に対しては、たとえ同盟国であろうと、どの国も情報をくれないし、真剣な協議もしてくれない。日本は特定秘密保護法を持つことによって、初めて情報化が進んだ国際社会に参加できるようになる」

 ≪民主的統制なく疑義 高見勝利・上智大教授(憲法学)≫

 「行政の情報は国民の共有財産だ。国民を代表する国会が秘密指定の妥当性を最終的に判断し、場合によっては開示するよう指示する仕組みが必要となる。国会の委員会や、国会に置く第三者機関など、いろいろな制度設計があるが、そうした民主的な統制が及ばない制度は、憲法上疑義がある。にもかかわらず、国会が自らの手を縛るような法案を、これほど乱暴な形で通すのは奇妙だ。

 ねじれ解消後の参院がどれだけチェック機能を果たすかも見どころだったが、国民の不安や疑問に答えず、第2院として役割を全く果たしていない。存在意義が問われる事態だ」(SANKEI EXPRESS

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