ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
スポーツ
熱いぞ!明大テコンドー部(下) 悲願の「日本一奪還」で恩返し
更新
明治大学テコンドー部のメンバー=2013(平成25)年9月8日(明治大学_有志学生記者、安藤大貴撮影)
「日本最高のテコンドー部」を掲げる明治大学テコンドー部にとって最重要の試合が、全日本学生テコンドー選手権大会である。学生の大会としては最高峰に位置づけられ、個人戦のトーナメントで行われるが、男女各クラスの優勝者に5点、準優勝者に3点、3位入賞者に1点のポイントが与えられ、大学ごとの合計点で、「日本一」を決定する。
アジア学生テコンドー選手権大会で準優勝に輝いた大島卓也選手(20)は「全日本学生で総合優勝することは、自分たちにとって最大の目標です」と、力を込める。
「単なる個人戦ではなく、チームとして優勝できる」のが、この大会の最大の魅力だという。「監督やマネジャー、サポートしてくれる人たちも含めて全員で日本一になれる。最高の恩返しになるし、総合優勝ができたら、これからの人生でも最高の思い出になると思う」
2011年の大会で初の総合優勝を果たしたが、12年は準優勝、9月に行われた今年の大会も準優勝と、2年連続で目標に一歩届かなかった。3年生にとって、来年の日本一奪還は悲願である。
「(日本一奪還の)チャンスをもらっていることにまず感謝しています。テコンドーという武道を好きになれたのは、明治大学のおかげでした。優しく見守ってくれている監督や追いかけてきた先輩だけでなく、たくさんの人のお世話になった。テコンドーを通じていろいろな人と知り合い、自分自身も成長することができた。何としても明大テコンドー部をもう一度日本一にします」
大島選手は力強く誓った。
≪世界ではメジャー 朝鮮半島発祥の五輪競技≫
テコンドーは五輪種目になっているものの、日本ではまだまだメジャー競技とはいえない。テコンドーの歴史やルールを紹介する。
漢字で「●(=足へんに台)拳道」と書くテコンドーは、朝鮮半島で生まれた足技を中心に発達した格闘技で、「足のボクシング」とも言われている。スポーツであるとともに武道でもある。「●(=足へんに台)」は跳ぶ・蹴るなどの足技、「拳」は突く、受けるなどの手技、「道」は武道を意味し、技の一つ一つが華麗で美しくダイナミックなのが特徴である。
テコンドーの歴史には諸説あるが、古来から朝鮮に伝わる古武道テッキョンを基本に編み出されたものが発祥とされている。正式に「テコンドー」と名付けられたのは、1973年にソウルで「世界テコンドー連盟(WTF=World Taekwondo Federation)」が設立されたときで、五輪ではスポーツとして発達したWTFのルールが採用されている。一方で、本来の武道として発達した「国際テコンドー連盟(ITF=International Taekwondo Federation)」という組織もある。
五輪では、1988年のソウル大会、1992年のバルセロナ大会で公開競技種目として実施され、2000年のシドニー大会から正式競技種目になった。開催が決まった2020年東京大会で行われる25種目の中核競技にも入っている。
WTFの競技では、男女各8階級が設けられているが、五輪では男女各4階級に集約。また1カ国の代表選手は男女各2人までと制限されている。
このため、かつて韓国がメダルを独占していた状況からは一変し、多くの国がメダルを獲得している。これまでのメダル獲得国が延べ33カ国もあることからわかるように、世界ではメジャーな競技として、年齢や性別に関係なく広く普及している。
試合は道衣に防具を着け、フルコンタクト制で行われる。ポイントは、蹴りが胴の防具に当たれば1点、頭部に当たれば3点が入る。回転しながら蹴るといった巧みな技で胴に当てると、2点が入る。有効打点は、足での攻撃が顔面を含む腰から上の部分、拳での攻撃は胴だけだ。
コートは8メートル四方で、コートの外縁部はマットが赤色になっていて、ここに両足が出てしまうと、「警告(キョンゴ)」となり減点される。国際ルールの試合時間は、男女ともに2分×3ラウンド。1ラウンドごとに1分のインターバルがある。(今週のリポーター:明治大学 有志学生記者 安藤大貴/SANKEI EXPRESS)