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改善意見に耳傾けず…あくまで「反日」 朴槿恵大統領、当選1年

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改善意見に耳傾けず…あくまで「反日」 朴槿恵大統領、当選1年

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韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権をめぐる動き=2012年12月19日~2013年11月23日  韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(61)は12月19日、大統領当選から1年を迎える。日本との国交正常化を果たし、日本の資金導入で高度経済成長を成し遂げた朴正煕(チョンヒ)大統領(1917~79年)を父に持つ朴大統領には当初、日韓関係の早期改善に期待がかかったが、「歴史認識」を理由に安倍晋三首相(59)との首脳会談を拒み続けている。

 当選直後の今年1月、日本は他国に先駆けて額賀福志郎氏(69)を首相特使として派遣した。朴氏の当選を契機に、李明博(イ・ミョンバク)前政権で最悪になった両国関係を改善する考えがあったためだ。

 だが韓国側の思惑は違った。朴政権は米中2大国間でのバランス外交を重視していた。朴氏は大統領当選後、駐韓米国大使の次に必ず日本大使と会談してきた歴代大統領の慣例を覆し、日本大使を中国大使の次の3番目に“格下げ”して対中傾斜が決定的になる。

 その後、朴氏は3月1日の「3・1独立運動」記念式典で、日本統治時代を振り返って「加害者(日本)と被害者(韓国)という立場は1000年の時が流れても変わらない」と演説するなど、反日姿勢を際立たせていく。

 4月、安倍政権の閣僚が靖国神社を参拝すると外相の訪日を中止。5月の訪米時には米国上下両院合同会議や米韓首脳会談で日本を批判。“告げ口外交”が本格化した。

 韓国では、このころから韓国の知日派やメディアの間で対日関係改善論が聞かれるようになった。また、日米外交筋によると「米側は韓国に、米国の世界戦略の中での日韓関係の重要性を強調しながら対日関係改善を強く迫った」という。

 最近、米国が日本政府の集団的自衛権容認を含む「積極的平和主義」に全面的な賛同を示したことで、韓国政府にも「米国が韓国よりも日本を選んだ」として焦りが生じている。

 しかし、朴氏に反日姿勢が改まる具体的な動きはない。国内で保革問わず「独裁的」との批判が出ている朴氏は周囲の意見に耳を傾けることがなく、「朴氏ににらまれることを恐れる閣僚ら高官が意見具申もしにくい」(韓国メディア幹部)雰囲気という。

 日本政府筋は、張成沢(チャン・ソンテク)前国防副委員長を処刑するなど不安定化の懸念が出ている北朝鮮が挑発すれば、“やむを得ない”として日本との直接対話に乗り出す可能性もあるとみるが、「そうでもない限り朴氏が首脳外交に乗り出す可能性は低いだろう」としている。(ソウル 加藤達也/SANKEI EXPRESS

 ≪日本政府 首脳会談開催を急がず≫

 安倍首相は韓国の朴大統領に早期の首脳会談開催を求めており、日韓の事務レベルでは動きが出てきた。

 ただ、朴氏は首相の歴史認識への批判をやめる様子がない。日本政府には朴氏への不信感が鬱積し、当面は「韓国が困るまで放っておいた方がいい」(政府関係者)と模様眺めを続ける構えだ。

 12月18日、訪日中の韓国の李京秀(イ・ギョンス)外務次官補が外務省で斎木昭隆外務次官と面会した。その後、記者団に対し、日韓関係改善に向けて「今はお互い努力している」と語った。

 李氏の訪日は、昨年5月を最後に途絶えている日中韓首脳会談の日程が主目的だが、日韓首脳会談についても話題になっているという。17日には杉山晋輔外務審議官と会談。日韓首脳会談に関して「互いの接点がゼロではなく、いい雰囲気だった」(外務省幹部)という。

 中国が韓国と管轄権を争う岩礁上空に防空識別圏を設定したこともあり、韓国内には日韓関係の改善を促す声が出始めている。

 ただ、朴氏は(12月)6日のジョー・バイデン米副大統領(71)との会談で、安倍首相の歴史認識を再び糾弾している。外務省は「朴氏の変化をじっくり待つ」(幹部)という。(SANKEI EXPRESS

 ≪安保戦略の竹島記述に抗議≫

 韓国外務省は12月18日、日本政府がこのほど、竹島(島根県隠岐の島町)の領有権問題を外交努力で解決するなどと記述した国家安全保障戦略を閣議決定したことに対し、在韓国日本大使館の倉井高志総括公使を呼んで抗議し、削除を要求した。

 外交当局によると、倉井公使側は「本国には伝えるが、抗議は全く受け入れられない」と応じたという。

 韓国外務省は17日にも、国家安全保障戦略から記述の削除を要求する報道官論評を発表。記者会見で「極めて遺憾だ」と批判している。(ソウル 加藤達也/SANKEI EXPRESS

 【韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権をめぐる動き】

2012年

  12月19日     朴槿恵(パク・クネ)氏が大統領に当選

2013年

   2月25日     就任

   3月11日     北朝鮮が休戦協定白紙化を宣言

   4月3日      北朝鮮が開城(ケソン)工業団地への韓国側関係者の入境禁止

   4月22日     尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が日本の閣僚の靖国神社参拝に反発、訪日中止を表明

   5月5~10日   朴氏が訪米。オバマ大統領と会談(5月7日)

   6月14日     大統領選で野党候補批判を指示したとして前国情院長宅在起訴

   6月27日~30日 朴氏が訪中、習近平国家主席らと会談

   8月14日     南北が開城団地操業正常化で原則合意

   9月16日     開城団地の操業再開

   9月30日     訪韓したヘーゲル米国防長官に対日批判

  11月23日     中国が防空識別圏設定を発表

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