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訪日外国人客 1000万人突破 世界33位 観光立国へ課題山積み

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訪日外国人客 1000万人突破 世界33位 観光立国へ課題山積み

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訪日外国人旅行者数1000万人達成の記念セレモニーで、太田昭宏国土交通相(左)とくす玉を割るタイから来たパパン・パッタラプラーシットさんと妻のユパーダー・パッタラプラーシットさん=2013年12月20日、千葉県成田市・成田空港(小野淳一撮影)  日本を訪れた外国人客が12月20日、初めて年間1000万人の大台を突破した。この日夕に成田空港で記念セレモニーが開かれ、太田昭宏国土交通相が達成を宣言した。

 1000万人目となったのは、タイから来た事業家のパパン・パッタラプラーシットさん(58)と妻のユパーダーさん(52)。2人が登場すると、くす玉が割られ、太田国交相らから記念品が贈られた。

 政府は、観光立国を掲げて「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を開始した2003年に、10年までに1000万人を達成する目標を設定したが、11年の東日本大震災、東京電力福島第1原発事故などで訪日観光が冷え込み、達成が当初目標から3年遅れた。

 今年は、円安で外国人の訪日旅行に割安感が出たのに加え、7月からタイやマレーシアなど東南アジア5カ国の訪日客へのビザの発給要件が緩和されたことが追い風となった。

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日中関係悪化で訪日客の減少が続いた中国も9月以降は回復が鮮明となった。

 政府は成長戦略で訪日客数を2020年を念頭に2000万人とする目標を掲げている。太田国交相は「きょうは歴史的な日になった。日本が元気になった」と語った。

 ≪世界33位 観光立国へ課題山積み≫

 訪日外国人数が1000万人を達成した今年は、政府が2003年に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を開始してから10年の節目でもある。観光庁はビザ発給要件の緩和や消費税の免税品目の拡大など、訪日客を誘致する対策を次々と打ち出した。それでも日本はまだ、欧米やアジアの主要国・地域からは後れを取っている。

 円安が追い風

 12月20日夕方、東京・銀座の家電量販店ラオックス銀座本店は雨の中、いくつもの高級ブランドの買い物袋を抱えた外国人客でにぎわっていた。主な目当ては、高級時計や家電。売り場では、スタッフに熱心に使い方を聞く外国人の姿が目立つ。

 11月末にオープンしたラオックス銀座本店は外国人スタッフが7~8割を占め、15カ国語に対応、銀座観光も案内するコンシェルジュも控える。「アジアや欧米など世界中のお客さまがいらっしゃいます」と小山修店長。

 JTBは20日、来年の訪日外国人数が前年比14.3%増の1180万人となる見通しを発表した。円安を追い風に、アジアを中心に訪日客が増えるという。政府は訪日外国人数を、東京五輪が開催される2020年に2000万人に、30年には3000万人まで上積みしようと期待をかける。

 だが、観光庁によると日本の2012年の外国人客数は世界で33位。アジアでも8位にすぎない。

 韓国は12年に初めて1000万人の大台に乗せた。1990年代後半の通貨危機の後、外貨獲得の狙いもあって外国人客の誘客を本格化。ビザ発給要件の緩和や地方周遊などで取り組みを強化している。韓国観光公社によると、韓国を訪れた外国人客は1~10月の累計で前年同期比9.3%増の約1034万人と堅調だ。

 中長期的対策を

 日本の状況について、日本総合研究所の矢ケ崎紀子上席主任研究員は「やるべきことは多い」と厳しい。

 観光庁が11年に行った調査では、外国人が日本で感じる不便さについて「無料公衆無線LANの環境」や英語など「コミュニケーション」の不足、「交通の経路情報の入手」などが上位にあがった。

 大手銀行3行が検討を始めた、海外発行のクレジットカードで現金を引き出せる現金自動預払機(ATM)の設置も要望は高い。

 20年の東京五輪は、日本を世界にアピールする絶好の機会。ただ五輪後にも日本に訪れてもらえる、中長期的な受け入れ体制づくりが課題となる。(SANKEI EXPRESS

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