SankeiBiz for mobile

改装に積極投資 ネットと店舗連携 消費増税 流通各社「冷え込み対策」

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの経済

改装に積極投資 ネットと店舗連携 消費増税 流通各社「冷え込み対策」

更新

イオンは2013年12月オープンの旗艦店「イオンモール幕張新都心」で、タブレット端末で在庫にないワインを取り寄せるシステムを導入。ネット通販と店舗販売を連携させる「オムニチャネル」に力を注ぐ=2013年12月16日、千葉県千葉市美浜区(松本健吾撮影)  主要百貨店や流通大手各社が、店舗改装や販促システム強化などの設備投資に動いている。少子高齢化による市場縮小や消費税増税後の消費の冷え込みに対し、腰を据えた構造改革で収益性を高める。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果による業績回復の“貯金”も積極投資を後押ししており、各社は生き残りをかけ、経営資源の有効活用を模索している。

 周辺地域を再開発

 「攻めの経営を加速させていく」

 高島屋の肥塚見春専務は昨年(2013年)12月26日、東京の百貨店2店の投資に関する記者会見で声に力を込めた。(2014年)3月に新宿店の土地建物を追加取得する予定で、立川店も土地建物の追加取得に向けた協議を開始。費用は計約1200億円の見通し。

 建物全体の保有で、出店テナント選別などで主導権を握るのが狙い。両店は周辺の再開発などで商圏の成長が期待されており、経営の自由度を高めるメリットは大きい。今年は150億円をかけ日本橋店の周辺地域の再開発にも着手。積極投資へアクセルを踏む。

 地方への波及も

 百貨店業界はこれまで主要顧客だった中高年層の高齢化などで、長期的な市場縮小傾向にある。今年は4月の消費税増税も控え、「何らかの抜本的対策が必要」(大手百貨店)との危機感が強い。幸い、アベノミクス効果で大手3社の中間業績はいずれも増収増益。将来を見据えた投資への下地は整っていた。

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は4月に三越日本橋本店の改装に着手するほか、伊勢丹新宿本店も昨年に続き、改装の手を緩めない方針。また、「札幌、名古屋、福岡の大都市圏は改装を行えばまだ可能性がある」(大西洋社長)として、地方店も1店当たり30億~40億円の投資を検討しており、投資予定総額は2014年度からの3年間で1000億円程度となる。

 J.フロントリテイリングも今年3月から松坂屋上野店の南館を建て替える。映画館やファッション専門店「パルコ」の入った複合施設を17年秋に完成予定で、投資額は200億円を見込んでいる。

 オムニチャネル

 コンビニエンスストアやスーパーなど、全国に店舗網を持つ流通大手は、ネット通販と店舗販売を連携させる「オムニチャネル」への投資を進める。ネット通販市場の拡大で、店舗網による優位性に陰りが見え始めていたためだ。

 イオンは昨年(2013年)12月オープンの旗艦店「イオンモール幕張新都心」で、来店客がスマートフォン(高機能携帯電話)のカメラで食材を撮影すると、料理レシピや割引クーポンが手に入るなどのシステムを初採用。セブン&アイHDも最大177億円を投じ、通販大手ニッセンHDの買収を発表。国内約1万7000店舗で、ネット通販で購入した商品を受け取れるなどのシステム整備を進める。

 イオンの岡田元也社長は「商品選択の自由と購入時の利便性、そして楽しさを兼ね備えている」と、オムニチャネルにより店舗の強みが生かされると強調。ネット業界との競合に、自信を見せている。(佐久間修志、松岡朋枝/SANKEI EXPRESS

ランキング