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【欧州サッカー】ミラン照らす「救世主」最高点 本田、鮮烈デビュー 「10番」存在感
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サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)で、欧州屈指の強豪クラブ、ACミランに加入した日本代表MFの本田圭佑(けいすけ)選手(27)が1月12日(日本時間13日)、イタリア中部のレッジョネレミリアで行われたサッスオロとのリーグ戦(アウェー)に後半20分から途中出場、公式戦デビューを果たした。チームは3-4で敗れたが、本田は右ポスト直撃の強烈なシュートを放ち、ゴールの起点になるなど再三の好機を演出。試合後に監督が解任された不振のチームの“救世主”として早くも存在感を示し、1月13日付のイタリア各紙は軒並みチーム最高点を本田につけた。
立ち込めた濃い霧の向こうに、背番号10の姿が浮かび上がった。サッスオロに2-4とリードを許した場面の後半20分、本田は自らを落ち着かせるように左人差し指を2度、唇に押し当ててピッチへ入ると、いきなり鮮烈なインパクトを刻んだ。
4-4-2の右MFに入り、まず30秒後にファーストタッチ。後半24分に左クロスを頭で合わせ、初シュートを放った。最大の見せ場は38分だった。ゴール正面で左からのパスを左足で振り抜き、低い弾道のシュートは惜しくも右ポストをたたいた。41分には本田の中盤でのパス回しを起点にイタリア代表MFモントリーボの反撃弾が生まれた。最下位の18位に低迷する格下相手にロングボールばかりの単調な攻撃が目立ったミランだが、本田の登場後は細かなパス回しで相手を崩す形に一変した。
試合前、「とてつもない重圧と、最初にピッチに立った時から付き合っていきたい」と話していた本田に緊張した様子は全くなく、味方に堂々と指示を出し、バロテリやカカらと絡みながら次々に仕掛けた。戦術練習は3日間だけでも、その存在感はすでにエースナンバー10にふさわしい“王様”だった。
アレグリ監督は「より攻撃的にしないといけない状況で非常にいいプレーをした」と本田をたたえた。ローマで元日本代表の中田英寿(ひでとし)氏とプレーしたサッスオロのディフランチェスコ監督も「本田には質の高い左足がある。ヒデ(中田氏)と似た冷静さやプロ意識もある。あの状況での起用もうなずける」と感服した。
ゲーム後はクラブの方針により、本田はコメントせずに真っ先にピッチを去った。イタリア紙の本田への評価はガゼッタ・デロ・スポルト紙とコリエレ・デロ・スポルト紙が6点、トゥット・スポルト紙が6.5点と、いずれもチーム最高だった。ガゼッタ紙は「商業的にも役立つだろうが、ケイスケはプレーの質も高く、また冷静」と評価。トゥット紙も「客観的に難しい局面でデビューしたが、とりあえず力のあるところを見せた」と称賛した。
ただ、セリエAで18度優勝し、欧州制覇も7度果たした実績を誇るACミランだが、今季はこの日の敗戦で5勝7敗7分となり、勝ち点22の11位。首位のユベントスに勝ち点で30の大差をつけられる窮状に陥り、一夜明けた13日、バルバラ・ベルルスコーニ副会長は「これ以上サポーターを失望させるわけにはいかない」として、アレグリ監督の解任を発表した。
まだ「慣らし運転」中の本田は、いきなりチームの激変の中に放り込まれることになったが、何も恐れることはない。ガゼッタ紙は監督解任について「全て捨てたものというわけでもない。本田のデビューが慰めになった。日本人選手がチームを活性化してくれる」と評し、本田への期待感を表した。
苦境のチームで唯一の光明となったのは日本のエース。小学校の卒業文集に記した「セリエAの10番」の夢はかなえた本田が、どのようにして運命を切り開いて行くことになるのか、目が離せない。(SANKEI EXPRESS)