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【This Week】(1月20~26日) シリア和平会議 過激派拡大、停戦実現は不透明
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シリアの内戦をめぐる関係国・勢力の立場=2014年1月19日現在 シリア内戦の解決を目指す和平国際会議が1月22日からスイスで開催されるのを前に、シリア北部の中心都市アレッポでの限定的な停戦合意を探る動きが浮上した。局地的な停戦を突破口に危機の全面打開につなげる狙いとみられるが、アレッポ周辺では国際テロ組織アルカーイダ系の過激派が勢力を拡大、激しい戦闘が続き停戦実現のめどは立っていない。
「会議を成功させるため、あらゆる努力をする」。シリアのワリード・ムアレム外相(72)は(1月)17日、アサド政権の後ろ盾であるロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(63)と会談、政権側の会議参加をあらためて明言し、アレッポでの停戦計画があることをロシア側に説明した。
会議は政権側と反体制派が同席し、シリア情勢をめぐって主要国が集まる初めての国際イベントとなる。外相は内輪もめが続く反体制派を尻目に、和平への意欲を国際社会に示すことで、スイスでの会議に有利な立場で臨もうとしているのは明らかだ。今月(1月)中旬にはジョン・ケリー米国務長官(70)とラブロフ氏が限定停戦を協議した際、ラブロフ氏を通じ、アサド政権が首都ダマスカス郊外への人道支援のアクセスを保証する用意があることも明らかにされた。
シリアからの報道などによると、ダマスカスや首都郊外では今月(1月)に入り、攻勢に出ていたアサド政権側部隊がバルゼ地区など計5カ所で、親欧米の反体制武装組織「自由シリア軍」と限定的な停戦に合意したとされる。
だがこうした動きが全土に広がるかは不明。過激派が比較的入り込んでいない首都と違い、アレッポやラッカ、イドリブといった北部や、東部デリゾールなどでは、アルカーイダ系の「イラク・シリアのイスラム国」や「ヌスラ戦線」が対話を強硬に拒否、反体制派へも含めた無差別な攻撃を繰り返しているからだ。
シリア人記者はアレッポでの停戦について「過激派の侵入を防ぐためやむなく限定停戦したダマスカスと違い、実現可能性は低い」と指摘。「本来は政権と反体制派が全土で和解し、外国人戦闘員主体のアルカーイダと対峙(たいじ)しなければならない状況なのだが…」と話した。(共同/SANKEI EXPRESS)