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【アイスホッケー】遠い1勝「笑顔」を取り戻せ ドイツに0-4 3連敗
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相手ゴールに迫る中村亜実(左から2人目)。何度もチャンスを作ったが、無得点に封じられた=2014年2月13日、ロシア・ソチ(古厩正樹撮影) 五輪初勝利は、またもお預けとなった。ソチ冬季五輪第7日の2月13日、アイスホッケー女子1次リーグで、世界ランキングによる下位リーグの日本はドイツに0-4で敗れ、3戦全敗となった。すでに目標だったメダルの可能性が消えた「スマイルジャパン」は、気持ちを切り替えて今大会不振(2連敗)のドイツに挑んだが完敗。長野冬季五輪で5戦全敗した屈辱から16年、「歴史的1勝」の重い扉を開けることができなかった。だが、まだ5~8位決定ラウンドの2試合(16、18日)が残っている。「次代につなぐ」ためにも、あと1勝、いや2勝をもぎ取り、最後に特上のスマイルを見せてほしい。
日本は第1ピリオド開始13分、FW平野由佳(27)が反則を取られてペナルティーボックスへ。ドイツにパワープレーを許した日本は、マヌエラにロングシュートを決められ、先制された。
第2ピリオドも開始早々、ゴール左サイドからフランシスカに追加点を奪われた。大沢ちほ(22)、坂上智子(30)を中心に攻めたが得点できず、第3ピリオド終盤にはGKを下げて6人攻撃に出た。しかし、返り討ちにされ、ダメ押し点を献上した。
「もっと気持ちを出さないと勝てない。勝ちにこだわる部分が(接戦だった)前の2戦とは全然違った」と、主将の大沢は試合後、唇をかんだ。日本の枠内をとらえた30本のシュートは、ことごとく弾き出された。25本の枠内シュートで4点を決めたドイツは、コースの精度、速度など、シュートの質が高かった。「相手のFWは上手だった」。GK藤本那菜(なな、24)のつぶやきだ。
だが、気持ちを強く持ち、前を向かなくては、1勝はもぎ取れない。
開催国枠で出た1998年長野五輪は5戦全敗で計2得点、45失点。現代表で唯一、この惨敗を経験した近藤陽子(34)は「緊張で何もできなかった」と悔し泣きした屈辱を忘れない。それ以降の3大会はいずれも最終予選の土壇場で萎縮し、あと一歩で涙をのんだ。アルバイトで生計を立てる競技環境への不安に「先が見えない」と多くの仲間が離れた。
女子アイスホッケーのソチ五輪出場権は、世界ランク上位5国と開催国ロシアに無条件で与えられ、残り2枠の一つをスマイルジャパンは過酷な予選を勝ち抜いて自力で得たのだ。1年前の最終予選で、選手たちは「勝てば環境が変わる」を合言葉にリンクで輝きを放ち、五輪切符をつかんだ。
注目度が急上昇したことで企業から声がかかり、当時は多かったアルバイト生活の選手たちが代表ではゼロになった。結果を出し、競技に集中できる環境を自ら手に入れたのだった。平野も五輪出場決定後、日本オリンピック委員会の就職支援プロジェクトを通じ、アルバイト生活から一転、就職先が決まった一人だ。
ドイツ戦後、中村亜実(26)は「1勝は簡単ではないと実感した。でも頑張るしかない」と号泣。平野は「ソチで結果を出さないとまた元に戻ってしまう」と危機感を募らせ、「若い世代のためにも次につながる五輪にしなければ」と、残り試合で「五輪初の1勝」を誓った。
スマイルを見せられないまま、五輪の舞台を踏んだだけで日本に帰るわけにはいかない。(SANKEI EXPRESS (動画))