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【ソチ五輪】18歳天才少女 ベテランの貫禄
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2014年ソチ冬季五輪会場。競技は、ロシア・ソチの市街地から約40キロ南東にある黒海沿岸の「アドレル」と、アドレルから約45キロ離れた山岳地域の会場「クラースナヤ・パリャーナ」の2カ所で実施。(C)Google □SOCHI OLYMPICS
ソチ冬季五輪第15日の2月21日に行われたアルペンスキー女子最終種目の回転は、18歳のミカエラ・シフリン(米国)が合計1分44秒54で金メダルを獲得した。昨年(2013年)の世界選手権を制したシフリンは1回目に52秒62でトップに立ち、2回目は6番目の51秒92でまとめた。
五輪に一喜一憂する米国民の期待を一身に背負った18歳の天才少女は、重圧も突然のピンチもはねのけ、百戦錬磨のベテランのような貫禄を示し、この種目史上最年少の金メダルに輝いた。
「滑りながら頭に音楽が流れるの」と話し、欧州では「雪上のモーツァルト」の異名を取る。1回目はリズミカルな滑りで余裕の首位。2回目のスタートに向かうリフトに乗りながら「本当に五輪で勝てるかも」と涙が込み上げたという。
序盤は得意の軽快なターンをつないだが、中盤のリズム変化で板の先端が雪面にはじかれた。「人生最悪の瞬間と言えば大げさだけど、それくらい慌てた」と明かした。ここからの修正が真骨頂だった。意図的に跳びはねるかのようにして完璧な姿勢に戻り、加速してゴールに飛び込んだ。
米国は前回バンクーバー五輪の滑降覇者で、ゴルフのタイガー・ウッズと交際するなど実力も話題性も抜群のリンゼイ・ボンが、けがで今大会を欠場。行き場を失った期待はシフリンにそのままのしかかった。
「第2のボン」と呼ばれるが、米国チームのファイファー女子コーチの見方は違った。「大事なレースに勝つことに徹し、余計なことは一切しない。その集中力は誰よりもすごい」と、何事も派手なボンとは違う堅実さを強調した。
「素晴らしい先輩から学んだおかげで今がある」と敬意を表した後、シフリンは語気を強めてこう言った。「でも第2の誰かになるつもりはない。金メダリストはミカエラ・シフリンよ」
≪「人生で最高の場面」 第二の故郷で3冠≫
2月21日行われた男子のショートラックで、ビクトル・アン(ロシア)は、個人で500メートルを制した約40分後に、5000メートルリレーでロシアを初の金メダルに導いた。アンは1000メートルと合わせ、今大会3つ目の金メダル。安賢洙として韓国代表で出場した2006年トリノ冬季五輪以来の3冠達成となった。
ロシア語の「マラッツィ(よくやった)」という大合唱がアンを包んだ。第二の故郷での3冠。「人生で最高の場面。決して忘れられない」と、ウイニングランで感慨に浸った。
500メートル決勝では最後方の4番手から残り1周半でギアを上げ、コーナーで膨らんだトップの中国選手を内から一瞬で抜く卓越した技術を見せた。米国との一騎打ちとなったリレーでは交代時のタッチがさえ、残り7周半のアンへの引き継ぎでトップを奪い返し、リードを守った。メンバーのザハロフは「アンが僕らのレベルを引き上げてくれた」と胸を張った。
前回のバンクーバー五輪では膝のけがや韓国代表の選考をめぐる内紛が影響し、出場することができなかった。アンがその後、ロシアに移った理由は、韓国スポーツ界の派閥主義に嫌気が差したためだった。
メダルなしに終わった韓国男子とは対照的な成績で、アンが獲得したメダルは通算8個となった。ショートトラックではオーノ(米国)に並ぶ最多記録。今大会の主役は祖国を中傷せず「活躍の場を与えてくれたロシアに感謝している」と締めくくった。(共同/SANKEI EXPRESS (動画))