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【ソチ五輪】難コース 小柄チーターが攻略

 ソチ冬季五輪第9日の2月15日行われたアルペンスキー女子スーパー大回転はオーストリアの24歳、アナ・フェニンガーが1分25秒52で優勝し、初めて五輪のメダルを獲得した。この種目はオーストリア勢の3連覇。

 スーパー複合を2連覇したマリア・ヘフルリーシュ(ドイツ)が0秒55差の2位、スーパー複合銀メダルのニコル・ホスプ(オーストリア)が3位に入った。

 地上最速の動物、チーターをイメージした柄のヘルメットが強い日差しに映えた。フェニンガーが難コースで「求められた戦略的な滑りができた」と果敢に疾走し、実力伯仲の優勝候補がひしめく激戦を制した。

 途中棄権が18人も出るほど、急斜面のカーブがきついコース設定。圧巻は序盤の連続ターンで、旗門と旗門を結ぶ直線バーンの真ん中で鋭くスムーズに板を切り返した。きれいなジグザグを描き、ここでライバルたちに決定的な差をつけた。

 後続の有力選手が滑り終えて優勝が確定するまで、震えが止まらなかったという。表彰台の真ん中に立つと、長身の2人に挟まれて顔の位置が並んでしまった。スピード系選手としてはきゃしゃな166センチ、60キロの体にはガッツが詰まっている。

 幼少期はジャンプのスリルが好きで、母国の英雄だったアンドレアス・ゴルトベルガーに憧れてジャンプ台に通った。国際主要大会に女子がなかった時代だったためアルペンに転向。「獲物を狙う素早さは、メダルを狙う私の滑りに似ている」というチーターに親近感を覚え、保護団体の広告大使も務める。

 前回バンクーバー大会はスーパー大回転とスーパー複合の16位が最高だった。「4年前の小さなアナがここまで来られた。人生最高の日よ」と満足感に浸った。

 ≪露製「精密機械」 地元Vにどよめき≫

 2月15日行われたスケルトン男子で、前回バンクーバー大会銅メダルで昨年の世界選手権を制した地元ロシアのアレクサンドル・トレチャコフが優勝した。

 1回戦から首位を維持し、最終滑走者として迎えた4回戦はゴールした瞬間に優勝が決定。固唾をのんで見守った観客のどよめきを誘った。

 精密機械のように4レースともスタートで4秒47の最速タイムを刻んだ。別格の爆発力を見せつけた王者は「まだ自分は伸びる。勝ち続けたい」と、この種目初となる五輪連覇を誓った。(共同/SANKEI EXPRESS (動画))

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