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北が声明「新たな形態の核実験も」 米の圧力に反発 ウラン型か

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北が声明「新たな形態の核実験も」 米の圧力に反発 ウラン型か

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 北朝鮮による中距離弾道ミサイル「ノドン」の発射を非難した国連安全保障理事会の報道談話に対し、北朝鮮外務省は3月30日、「核抑止力を強化するため、新たな形態の核実験も排除しない」などと米国の圧力に反発する声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮はこの日、1年4カ月ぶりに日本との公式政府間協議を北京で開始、対話に乗り出す姿勢をみせているが、核・ミサイルの強硬姿勢には変わりがないことを示した。

 安保理は(3月)27日に発表した報道談話で「安保理は今後、相応の措置を講じる」としており、北朝鮮側は核実験を示唆することで、国際社会の制裁強化を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 北朝鮮は2006、09、13年に核実験を強行。13年のケースは定かでないが、06、09年はプルトニウム型核実験とされる。今回の「新たな形態の核実験」は、「ウラン型」か、核分裂反応を促進させ爆発威力を強める「ブースト型」などを示している可能性がある。

 ウラン型については、濃縮施設が地下に設置されれば上空からの監視が困難になるため、国際社会が特に警戒してきた経緯がある。

 北朝鮮は昨年(2013年)1月下旬、長距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮への制裁を強化する国連安保理決議が採択された直後、「高い水準の核実験」の実施を明言し2月に核実験を実施した。「新たな形態の核実験」との表現は初めてとみられる。(北京 名村隆寛/SANKEI EXPRESS

 ≪日中協議 「拉致」と「ミサイル・核」めぐり神経戦≫

 日本と北朝鮮は3月30日、北京の在中国北朝鮮大使館で外務省局長級による公式の政府間協議を行った。日朝局長級協議は1年4カ月ぶりで第2次安倍晋三政権下では初めて。日本側から参加した伊原純一外務省アジア大洋州局長(57)は「諸懸案の解決に向けて前進を図るべく努力したい」と強調した。北朝鮮側の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使(58)は日朝関係について「肯定的な方向になることを願っている」と改善に意欲を示した。

 伊原氏は協議終了後、日本大使館で記者団に「真摯(しんし)で非常に率直なやりとりができた。あらゆる機会をつかまえ、実質的な意見交換を続ける努力をする」と述べた。拉致問題への対応については「北朝鮮が死亡したとする8人がすべて生存しているという前提で協議に臨む」と語った。ただ、具体的な協議内容の言及は避けた。

 日本側は、拉致被害者の安否の再調査や、被害者全員の帰国を強く求めたとみられる。被害者家族の北朝鮮渡航に関し、親族の遺骨収集に限り認める方針にも言及したもようだ。

 友好ムード演出

 今回の協議で、日本側は制裁緩和カードをちらつかせながら譲歩を引き出したい考えだが、その「壁」は高い。北朝鮮側は核・ミサイル問題で国際社会を敵に回す姿勢をとり続けており、日本の対応の整合性が問われるからだ。協議では拉致とミサイルをめぐって日朝間の神経戦が続いている。

 「凍りついていた川の水も解けて流れ出し、青い木の葉も芽生え始めた季節に、会談が開かれたのは大変意味がある」

 協議冒頭で宋日昊大使は、にこやかな表情でこう切り出し、日朝関係の「春」の訪れを強調した。

 北側は友好ムードの演出にこだわった。大使館内に日韓の報道陣を迎え、建物内の写真や動画の自由撮影を許可した。大使館正面玄関を背景に現場リポートを始める韓国メディアを制止することもなかった。

 対する日本側に笑顔はない。外務省の伊原純一局長は「2012年11月にウランバートルで開かれた政府間協議に引き続いて行われる協議だ」などと語るだけだった。

 条件闘争

 日本側は「北朝鮮に軟化の姿勢がある」(外務省幹部)とみるが、それは拉致問題に限ってのことだ。協議で日本側は、(3月)26日の中距離弾道ミサイル発射を非難したもようだが、北朝鮮外務省は30日、国際社会が強める圧力に対し「新たな形態の核実験も排除しない」との声明を発表するなど依然意に介さない。

 日本は、北朝鮮が拉致被害者の再調査に応じるなど進展があれば独自の制裁を一部解除する構えをみせている。北朝鮮側も拉致問題だけで条件闘争を仕掛けてきているようだ。

 協議に関連し、菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は30日のフジテレビ「新報道2001」で「拉致問題は極めて重要な人道問題だ。安倍政権の手で何としても解決したい」と述べた。

 だが拉致問題で「実」が取れても、ミサイル問題で北が軟化しない限り、多くの制裁は解除できない。日本は難しい交渉を迫られている。(北京 山本雄史/SANKEI EXPRESS

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