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世界に飛び出す独自のポップカルチャー アーバンギャルド
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レコード会社を移籍し、心機一転、大快調な楽曲を詰めたアーバンギャルドの新作『鬱(うつ)くしい国』が完成した。「ワンピース心中」「さくらメメント」など、奇想天外な歌詞がスピード感を持って耳に飛び込んでくる。アバンギャルドとロリータ性が見事に折衷した楽曲群の切れ味はすさまじい。昨年はパリのジャパンエキスポでも好評を博した。世界への視線をリーダーの松永天馬に聞いてみた。
「ジャパンエキスポに参加して、ロックがかつてそうだったように、日本のオタク文化はもはや世界的なポップカルチャーであることを認識しました。われわれの音楽の内容も確実にアピールしていることも伝わりました」
彼らの特色は、ボーカルの浜崎容子のロリータ性にある。それはどう受け取られているのだろうか。
「ロリータ、少女性は日本の資本主義に根付いています。アイドルがその典型ですが『消費される少女』のイメージです。アーバンギャルドは、そんな少女の状況をアイロニカルに描いています。ある種、フェイク感ともとれるロリータ風味が、欧米で面白く受け入れられているようです」
そんな体験も生かした新作『鬱くしい国』は、どのようなコンセプトだろうか?
「ズバリ現代日本がテーマです。経済的にも文化的にも豊かな国でありながら、年間3万人以上の自殺者を出すこの国の光と闇をドキュメントしました。この国に対する愛憎渦巻く思いをぶつけたのです」
新作では「ハラキリ」といった言葉も飛び出し、ヒャダインにも通じるきらびやかでアップテンポなサウンドが抜群に面白い。
「洋楽ではもはやメーンストリームとなった感もあるEDMに、日本ならではのボーカロイドやアイドルソング、そしてロックの要素が溶け込んだ、キメラな快作になりました」
サウンドのコンセプトが練られている背景には「大人にこそ聴いてもらいたい」という思いがあるという。今後、海外に打って出るとしたら、どの部分を強調したいのだろう。
「屈折した思いや、ネガティブな感情も含め、われわれにしか持ち得ないものを大事にしていきたいと思います。それが短所に見える部分であろうと。あらゆる大衆文化も、初めはマイノリティーから生まれるのだから」
夏には、新作を引っさげた全国ツアーが始まるという。「より激しく、鬱くしいアーバンギャルドを体感しにきてください」とのことである。(アーティスト・作詞家 サエキけんぞう/SANKEI EXPRESS)