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和菓子とアメ車が放つ対等の美 平松昭子

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和菓子とアメ車が放つ対等の美 平松昭子

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和菓子とアメ車が放つ対等の美(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com  【和のスタイル】

 PinterestというSNSサイトで画像収集にはまっています。友人の友達のR君のピンが興味深かったのでフォローしました。彼のことは友人からよく噂を聞いていて、若い頃はパリでファッションを学び、今は日本の大手アパレルで働いているそう。R君は私の友人とバンドを組んでいたこともあり、大の音楽好きらしく、モードとロックの写真がいつも滝のように流れてきます。ジョニー・サンダースのクールな写真が20枚くらい大量に流れてきたかと思うと、突然、トムとジェリーに変わったりします。センスのいい男の子の宝物箱をのぞいているようでドキドキします。

 実は、ここ1カ月、自宅リビングのインテリアをどうしようか行き詰まっていました。私の好みは、NYやLAのモダン&ゴージャスと、枯れ山水の見える和室。相反する世界観を一つの空間に融合することが難しく、欲求不満のストレスでとうとう機能性胃腸障害になってしまいました。そんなある日、いつものようにR君はかっこいい車をピンしていました。美しいボディーの塗装のカラーと光り輝くボンネットのアップが次々と流れてきました。すると突然、和菓子がごろごろ流れてきたのです。それらは大胆で美しい構図ばかりでした。驚いたのは、和菓子がアメ車と対等の美を放っていたことです。私は目が覚めました。雷で打たれたように、和菓子の洪水に打たれて煩悩を一気に振り払うことができたのです。

 これまではゴージャスで大きな空間のインテリア写真を見ると憧れに負けてしまい、日本の住宅事情では限界があるとどこかで決めつけていました。しかし、そうではないのです。日本には小さいサイズの大きな美がそこら中にあります。このことも頭では分かっていたのですが、まだまだ観察が足りていませんでした。R君がアメ車と和菓子で見せてくれたテクニックをこのGWの研究課題にしようと思いました。欲しいものは物ではなくて、空間構成の美意識。これでやっとお買い物中毒も少しは克服できそうです。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS

 ■ひらまつ・あきこ 1970年、愛知県生まれ。広告プロダクション退社後、フリーのイラストレーターに。ファニーでエレガントなイラストで人気を集め、現在は「GLOW」でコミックエッセーを連載中。「kate spade new york」日本公式ブロガー。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好する。著書に「お洒落きものイズム」(グラフィック社)など。LINEのスタンプ「ラヴ&ゴージャス」が発売中。kimonosnack.blogspot.com

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