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モニカ・ルインスキーさん、沈黙破りクリントン元米大統領との不倫について語る
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不倫スキャンダルを巻き起こした当時のビル・クリントン米大統領(右)と、ホワイトハウスの実習生、モニカ・ルインスキーさん(ゲッティ=共同) 1998年に当時のビル・クリントン米大統領(67)との不倫スキャンダルで世間を騒がせたホワイトハウスの元実習生、モニカ・ルインスキーさん(40)が5月6日、長年の沈黙を破り、米誌「ヴァニティ・フェア」電子版に手記を寄せた。ルインスキーさんは「私と元大統領との間に起きたことを深く後悔している」と自責の念を表す一方、「確かに私は彼に利用されたが、合意に基づく関係だった」と堂々とつづった。米国では、この告白と、クリントン氏の妻、ヒラリー前国務長官(66)の2016年の大統領選出馬との関連が取りざたされ物議を醸している。
米CNNテレビ(電子版)によると、2人の不倫関係が始まったのはルインスキーさんが実習生だった1995年で、それが98年に明らかになると世界的な大スキャンダルに発展した。
野党・共和党は民主党のクリントン氏を追い落とそうと激しく攻撃し、クリントン氏は米下院で弾劾訴追され、政権は窮地に陥った。だが、結局は上院で無罪となった。
当時、20代だったルインスキーさんは世間の批判と中傷を一身に浴びたせいで、自殺を考えるほど追い詰められたという。好奇の目に耐えきれず、2005年に英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに留学し、翌年、社会心理学の修士号を取得した。
だが、スキャンダルのイメージは拭えなかった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)などによると、帰国後は、広報やマーケティングの仕事を転々とするなど不安定な人生を歩んできたという。
今回の寄稿では過去を赤裸々に吐露。「自分の過去や他人の未来に向き合うことから逃げる」のをやめる時が来たといい、「(自身のトレードマークでもあった)ベレー帽を燃やし、(クリントン氏の精液が付いた)青いドレスを葬り去るときがやって来た」と訴えた。さらに「確かに私は彼に利用されたが、この1点だけは貫き通したい。あれは合意に基づく関係だった」と主張。「すべての『裏切り』はその後に起きたことで、彼は自身の強力な地位を守るため私をスケープゴートにした」と非難した。
また、不倫スキャンダルについて長く沈黙を守ったことについて「彼が大金をつかませ黙らせているとの噂もあるが、真実からほど遠い」と強く否定した。
米国では、ヒラリー氏が16年の大統領選に民主党から出馬するのではとささやかれていることから、このタイミングでのルインスキーさんの“暴露”に、政敵である共和党は大喜び。
今年1月には、ケンタッキー州のランド・ポール共和党上院議員が、NBCの報道番組で16年の大統領選に関し、「ボスは若いインターンを食い物にすべきではない」と不倫スキャンダルを蒸し返しており、ヒラリー氏を攻撃する材料になり得る。
とはいえ、騒動から16年。不倫スキャンダルは民主党にとって大して影響しないとの見方が大勢を占めている。
米紙クリスチャン・サイエンスモニター(電子版)は、有名な政治記者、デビッド・ウェイゲル氏(32)の「16年の大統領選に投票できる18歳の人は、このスキャンダルの勃発当時、2歳だった」とのツイートを紹介し、民主党員の多くと一部共和党員は、ヒラリー氏の出馬の可能性にも影響しないと報じた。
「私の経験を共有することで屈辱の底にいる人々の助けになれば」とルインスキーさん。自身も体験したネットいじめなどの犠牲者を支援したいとしているが、16年後の告白の狙いは、あいまいなままだ。(SANKEI EXPRESS)