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【鎌倉海びより】愛称は変えません

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【鎌倉海びより】愛称は変えません

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久保田陽彦社長と豊島屋公認ゆるキャラの鳩兵衛=2014年5月17日、神奈川県鎌倉市  鎌倉にある由比ガ浜、材木座、腰越3海水浴場の共通名称について、海水浴場開設者である鎌倉市が昨年、ネーミングライツ・パートナーを募集した。つまり、名前の権利を売りに出したわけですね。

 この結果、鳩サブレーで有名な地元企業の豊島屋が2013年から10年間の命名権を毎年1200万円で獲得。ただし、豊島屋サイドは企業名や商品名を「冠」にする気はなく、多くの人に親しまれる呼び名を付けたいということで、鎌倉市と協力して愛称の公募を実施した。

 その審査の結果が5月15日、記者会見で豊島屋の久保田陽彦社長から発表されている。新名称は…。新聞やテレビのニュースで報じられ、かなり話題にもなったので、ご存じの方が多いと思うが、「愛称は変えません」というのが最終決定だった。

 つまり、由比ガ浜海水浴場、材木座海水浴場、腰越海水浴場という現在の名称が今後もそのまま愛称として起用される。公募をしてみたら、慣れ親しんできた名称を変えないでほしいという希望が最も多かったという。分かるなあ、その気持ち。

 2日後の17日(土)に由比ガ浜海岸で開かれた鎌倉ビーチフェスタでは、久保田社長が自ら壇上に立ち、松尾崇市長に名称継続を改めて報告した。

 何というか、ちょっと救われた気分ですね。久保田社長は豊島屋公認ゆるキャラの鳩兵衛とともにステージに上がった=写真。これはまあ企業トップとして当然か。

 ただし、海水浴場の名称にまで企業名や商品名がついて回るようだと、印象もちょっと変わってくる。鎌倉の海水浴場は今年開設131周年。その歴史を尊重したことが逆に話題になり、好感度も知名度もアップした。企業戦略の観点からも賢明な選択だったというべきだろう。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS

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