ニホンウナギは「絶滅危惧種」 IUCN発表 取引規制など懸念
更新国際自然保護連合(IUCN)は6月12日、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類したと発表した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」と判定した。レッドリストは生物の生息状況の科学的な評価結果で、掲載されても捕獲や国際取引の規制には直結しないが、ワシントン条約で国際取引規制を検討する際の有力な判断材料となる。
世界最大のウナギ消費国として日本も漁獲規制など本格的な保護対策を迫られ、食卓にも影響が出る可能性がある。水産庁はワシントン条約で取引規制対象とならないよう各国に理解を求める考えだ。
30年間で90%減
IUCNは、日本の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁獲は過去30年間で90%以上減ったことなどから、絶滅の危険が高まっていると判断した。
乱獲や生息地の破壊、海流の変化などが理由で、養殖向けのシラスウナギの乱獲が大きな脅威でありながら、依然として各地で乱獲が続いていると警告した。
また、インドネシアなどに生息するウナギの一種についても、ニホンウナギの減少に伴って代替種としての需要が高まっており、国際取引が増加傾向にあるなどの問題を指摘した。
