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【This Week】(6月23~29日) 「幸せの国」 ブータン首相が初訪日
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素朴な美しさがあるブータンの首都ティンプーの目抜き通り。首相の訪日は「幸せの国」をアピールする機会となりそうだ=2013年7月11日(共同) 心の充実度「国民総幸福量(GNH)」の追求を国是とするブータンのツェリン・トブゲイ首相(48)が、今月(6月)29日から日本を訪問することが6月21日までに分かった。ブータン政府高官が明らかにした。昨年(2013年)7月の首相就任後、初めての訪日となる。
今年は日本がブータンへの政府開発援助(ODA)を開始してから50年の節目。トブゲイ氏は安倍晋三首相(59)との会談で経済協力や民間交流など関係強化を確認するとみられる。
物質的な充足感よりも心の豊かさを重視して指標化するGNHの概念は、東日本大震災後の日本でも共感を呼んでおり、訪日はトブゲイ氏が「幸せの国」をアピールする機会にもなりそうだ。
GNHをめぐっては、新たな指数を調べるためのブータン政府の調査に国際協力機構(JICA)が協力することが明らかになっている。
ブータンを(6月)18日、訪問した田中明彦(たなか・あきひこ)JICA理事長(59)は「日本でも注目されているGNHの調査協力から学ぶことは多い」と述べ、調査に全面協力すると確約した。
GNHの調査は2005年、07年と10年にブータン政府によって実施され、05年は97%が「幸せ」と回答。手法を精密化した10年は「心の幸福」「健康」「教育」など9分野で約7000人の満足度を調べた。
JICAは既に今回の調査項目の検討などに入っており、今年9月から全土にブータン人調査員を派遣する。より正確な統計をとるため日本から大学の研究者らを招き、16年春ごろに調査結果をまとめる。
GNHはブータンのジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王(58)が1970年代に初めて提唱。2008年の民主化時に施行された憲法の中で指数向上が国家目標と記された。(SANKEI EXPRESS)