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巨大化する世界飲料大手 日本勢出遅れ サントリー次期社長・新浪氏「本当のグローバル企業に」

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巨大化する世界飲料大手 日本勢出遅れ サントリー次期社長・新浪氏「本当のグローバル企業に」

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会見後、自社製品を持ち笑顔を見せる佐治信忠(さじ・のぶただ)会長(左)とサントリーHDの新社長に決まった新浪剛史(にいなみ・たけし)氏(右)=2014年7月1日午後、東京都港区(大里直也撮影)  サントリーホールディングス(HD)の佐治信忠(さじ・のぶただ)会長兼社長(68)と、10月1日付で次期社長就任が内定した新浪剛史(にいなみ・たけし)氏(55)が7月1日、東京都内で記者会見した。

 新浪氏は「サントリーの文化を継承しながら、本当のグローバル企業を目指したい」と抱負を語り、積極的な海外展開を目指す考えを示した。

 新浪氏は、ことしの米酒造大手ビーム社の買収で「販路が増えた。それをいかに生かすかだ」と強調し、世界的に酒類事業の収益を強化する方針を明らかにした。外部からのトップ就任には「会社の中を理解し、対話することが大事だ」と述べた。

 佐治氏は「新浪さんは(サントリーの社風を表すとされる)『やってみなはれ』の人だった」と新浪氏を起用した理由を説明。「私と二人三脚で経営のかじを取っていこうと思う」と話した。売上高4兆円の目標には「M&A(企業の合併・買収)を仕掛けないといけない」とし、今後3~5年は経営に携わる意向を表明した。

 佐治氏は同族経営を「決断の早さが良さだが、トップも同族が続く必要はない」と指摘し、今後も創業家以外がトップになる可能性を示唆した。

 会見後、佐治氏は「新浪さんには(社長を)10年はやってもらいたい」と激励し、新浪氏も「ビジネスマンとして最後の大きなチャレンジだ」と応じた。

 新浪氏は社長就任後も、経済同友会の副代表幹事や、安倍政権の産業競争力会議の民間議員を継続する考えだ。

 ≪巨大化する世界飲料大手 日本勢出遅れ≫

 世界の飲料メーカーは、新興国などの成長市場への進出や買収を繰り返して巨大化している。一方、国内市場に安住してきた日本の飲料大手3社は、少子高齢化で売り上げが頭打ちになる中、2000年代に入り海外展開を本格化させたが、出遅れ感が否めないのが実情だ。日本勢は生き残りをかけた世界戦略の加速を迫られている。

 海外事業が収益源

 飲料や食品分野で世界最大手のネスレ(スイス)は、13年12月期の売上高が10兆円を超える。1913年に日本に進出するなど、現在では世界約200カ国で事業を展開。売上高の約98%を母国以外で稼ぐ世界企業に成長した。世界飲料大手の米ペプシコや米コカ・コーラも早い段階で世界各地に進出し、いずれも海外事業が大きな収益源となっている。

 2000年代後半には、時間をお金で買う買収で、一気に世界企業の座へ駆け上がる企業が現れた。ベルギーのビール大手インベブは08年「バドワイザー」で知られる米ビール大手アンハイザー・ブッシュを当時、約5兆5000億円で買収した。

 両社が統合しビール世界最大手となったアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)の13年12月期の売上高は約4兆5300億円だ。インベブ時代の07年に比べて売上高は倍以上となった。

 売上比率3~4割どまり

 国内メーカーも世界市場を照準に国際化を急ぐ。サントリーホールディングスはことし5月、米ビーム社を約1兆6000億円で買収した。佐治信忠会長兼社長は「今後の世界戦略の成否が、21世紀のサントリーの命運を握る」と述べ、世界展開は必須との見方を示す。

 キリンホールディングスも「日本市場だけでは世界の大手には勝てない」として、07年にオーストラリアの乳業大手、11年にブラジルのビール大手を買収。アサヒグループホールディングスは、11~12年にオセアニアやマレーシアで酒類や飲料メーカーを買収し、アジアに注力する戦略を打ち出した。

 だが、依然として日本メーカーは海外での売上比率が全体の3~4割程度にとどまり、収益の多くを母国市場に頼る構図だ。

 三井物産戦略研究所の高島勝秀研究員は「海外展開はリスクも伴うが、世界で攻め続けなければ成長は望めない。ぶれない本気度が問われている」と指摘する。(SANKEI EXPRESS

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