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メディア阻む「普通の子育て」 ジョージ英王子1歳、フィーバー衰えず
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英王室のウィリアム王子(32)とキャサリン妃(32)夫妻の長男、ジョージ王子が7月22日、1歳の誕生日を迎えた。英王室は21日までに元気に歩く王子の写真と2枚の家族写真を公開。王子の着ていた服がネットで瞬く間に売り切れとなるなど、“ロイヤルベビー・フィーバー”は衰えを知らない。夫妻は「普通の子育て」を実践し、王子の服も50ドル以下と庶民的。気取らないライフスタイルに多くの国民が親しみを抱いている。ただ、パパラッチと呼ばれる芸能メディアの過熱はすさまじく、「王子を見せ物にするな」と批判の声も出ている。
公開された写真は、ロンドンの自然史博物館で開かれている蝶(ちょう)の展示会を(7月)4日に訪れた際に撮影されたもの。(7月)19日に歩く様子の写真を、21日に蝶を追いかけるように手を伸ばしたり、父親の手に止まった蝶をつかもうとしたりする王子と夫妻の家族写真2枚を公開。夫妻は写真に添え、「この1年に、国内外でお会いした全ての人々に対し、私たち家族に温かい言葉をかけてくれたことを感謝します」とのコメントも出した。
写真は大きな反響を呼んだ。米芸能サイトの「E!オンライン」が、王子の着ていたポロシャツとズボンがフランスの人気子供服ブランド「プチバトー」の製品で、ズボンの値段は約46ドル(約4600円)と報じると、ネットショップに注文が殺到し数分で売り切れたという。さらに王子が履いていた靴は英子供服ブランド「アレックス・プリ・ウォーカーズ」の製品で、「値段は42ドル。こちらはまだ買える」とフィーバーを煽(あお)った。
また、キャサリン妃が着ていたグリーンに白の花びらの柄をあしらったシルクのドレスは、英人気ブランド「スザンナ」の製品で、値段は475ポンド(約8万2000円)などと、ファッションが詳細に報じられた。世界中の人々が憧れる一家は、今や世界の“ファッションリーダー”的な存在であり、その宣伝効果は絶大だ。
ジョージ王子は王位継承順位3位でいずれ英国王となる宿命だが、夫妻は英王室の伝統にとらわれない「普通の子育て」を希望。出産して退院する際に、ウィリアム王子がメディアに「おむつ交換から逃げることは許されなかった」と、王室では前例のない“イクメン”を宣言。バッキンガム宮殿ではなく、キャサリン妃の実家で子育てをスタートさせたことも、前代未聞だった。
ただ、「普通の子育て」は、王子の成長に伴いメディアへの露出が増えることも意味する。実際、4月に初の外遊でニュージーランドとオーストラリアを訪問した際には、地元の子供と遊ぶやんちゃな王子の様子が全世界に伝えられた。
英紙ガーディアンは、夫妻と王子の3人の写真が米ファッション誌バニティ・フェアの8月号の表紙を飾ったことを例に挙げ、「正式な取材に基づくものだが、王室取材には、常に見せ物のショーの側面がある」と指摘。「ウィリアム王子夫妻にはメディアに登場し王室をPRする役割もあるが、ジョージ王子をメディアのターゲットにしてはいけない」と、自省も込めて警鐘を鳴らした。
母であるダイアナ元妃をパパラッチの追跡による交通事故で失ったウィリアム王子にとって家族を守ることは最優先。これからの子育てでは、開かれた王室とメディア対策のジレンマに悩むことになりそうだ。(SANKEI EXPRESS)