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エボラ熱深刻 WHO緊急事態宣言 西アフリカで拡大、930人超死亡

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エボラ熱深刻 WHO緊急事態宣言 西アフリカで拡大、930人超死亡

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8月8日、スイス・ジュネーブでエボラ出血熱感染について記者会見する世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長=2014年(ロイター)  世界保健機関(WHO)は8月8日、西アフリカで拡大の一途をたどるエボラ出血熱の感染について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると発表した。「さらなる感染拡大が招く結果は極めて深刻だ」と指摘する一方、現時点で渡航や貿易の全面的規制は必要ないとした。

 WHOのマーガレット・チャン事務局長はジュネーブでの記者会見で、西アフリカの感染地域の各国には「(エボラ熱に)対処する能力がない」と述べ、拡大阻止には国際社会の協力が不可欠だと強調した。

 エボラ熱についてWHOは専門家による緊急委員会を(8月)6、7日に開催。今回、緊急事態を宣言することで、エボラ熱の封じ込めに向け各国に早急な取り組みを促した。

 WHOのフクダ事務局長補は会見で「エボラ熱は未知の病ではない。封じ込めが可能な感染病だ」と説明。感染者が集中する地域で「人の動きを制限することが重要だ」と語った。

 WHOは2009年に大量感染が起きた豚インフルエンザ、今年5月にポリオ(小児まひ)の感染拡大でそれぞれ緊急事態を宣言。中東を中心に感染が広がった中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスについては6月、緊急事態には至っていないと判断した。

 今回のエボラ感染は昨年(2013年)12月にギニアで始まり、隣国リベリア、シエラレオネに拡大。これまでに感染が疑われる例を含め930人以上が死亡した。

 7月下旬にはリベリアで感染した米国籍の男性がナイジェリアに飛行機で移動後に死亡。中東のサウジアラビアでも感染が疑われる男性が死亡し、アフリカ以外に波及した恐れが出ている。

 リベリアは今月(8月)6日、90日間の非常事態を宣言し、国内の感染地域から首都モンロビアに入る人の動きを制限。シエラレオネでも治安部隊が主要道路に検問所を設け、感染地域を封鎖した。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪厚労省、国内流行の恐れ「ほとんどない」≫

 エボラ出血熱についてWHOが緊急事態を宣言したことを受け、厚生労働省は8月8日、各地の空港の検疫所に渡航者や帰国者への情報提供を徹底するよう呼びかけた。国内の感染拡大の可能性について、厚労省の担当者や専門家は「仮に日本に患者が入ってきても国内で流行する恐れはほとんどない」との見方だ。

 日本では感染症法に基づき、エボラ出血熱を極めて危険な1類感染症に指定、医師による速やかな届け出や就業制限、強制的な入院措置などを定めている。

 ウイルスは、体液や血液への接触を通じて感染する。国立感染症研究所の西條政幸・ウイルス第1部長は、西アフリカで起きている拡大の原因として、感染症の知識不足や、葬儀で遺体を触る習慣、手袋やガウンなど病院内で感染拡大を防ぐための資材不足を挙げ「先進国にはない特有の事情がある」と指摘する。

 厚労省によると、患者を受け入れられる体制の整った病院は全国で40以上指定されている。ウイルスの遺伝子を検出する検査法も確立している。

 流行地域で感染した人が日本に入って発症し、吐いたものを周囲の人が素手で片付け、さらに感染するなどの危険は否定できない。西條氏は「最初の患者に診断がつけば、接触した人を特定し見守る対応が可能になる。患者が出ても感染の連鎖が持続することは予想できない」と話す。

 西條氏は「日本で心配ないといっても遠い国の話だと思わず、現地にどう協力できるか考えるべきだ。それが国内の感染症対策の充実にもつながる」と強調する。(SANKEI EXPRESS

 ■エボラ出血熱 エボラウイルスが原因の急性感染症。世界保健機関(WHO)によると、1976年にザイール(現コンゴ)などアフリカ中部で初めて集団発生が確認された。ザイールの感染集落が「エボラ川」の近くにあったことから、この名が付いた。野生のコウモリがウイルスの宿主とされる。人間同士では、感染した人の血液、分泌物、臓器、その他の体液に濃厚に接触することで感染する。会葬者が遺体に直接触る葬儀も感染の原因と指摘されてきた。症状は発熱や頭痛、下痢、内出血や皮膚などからの出血。致死率は高く、最高で90%とされる。ワクチンや治療法は見つかっていない。(共同)

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