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“リクライニング攻防”相次ぐ緊急着陸 乗客けんか、航空会社に批判の声も

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“リクライニング攻防”相次ぐ緊急着陸 乗客けんか、航空会社に批判の声も

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SANKEI_EXPRESS__2014(平成26)年9月4日付EX(終面)  米国の旅客機で狭すぎる座席のリクライニングをめぐって乗客同士がトラブルとなり、緊急着陸する事態がこの10日間に3件も起き、航空業界に波紋が広がっている。

 米国では、自分の前の座席の背もたれを倒せないようにする器具まで存在。最初のトラブルはこの器具が発端となり、その売り上げが急増しているという。

 座席数をどんどん増やして乗客を詰め込んでおきながら、乗客同士の少々のけんかや騒ぎ程度で緊急着陸という大げさな対応をとった航空会社への批判も出ている。

 乗客ら大げんか、逮捕も

 最初のトラブルは8月24日に起きた。米メディアによると、ニュージャージー州ニューアークからコロラド州デンバーに向かうユナイテッド航空の機内で、男性が前の座席の背もたれのテーブルでパソコンを使うため、前席のリクライニングを阻止し自分の膝を守る「ニー・ディフェンダー」と呼ばれる器具を装着した。

 リクライニングができなくなった前席の女性は、器具を外すよう要求。男性が拒否すると、女性はコップの水を男性の顔にぶちまけ、大げんかになった。旅客機は機長の判断でシカゴに緊急着陸し、2人は強制的に降ろされた。

 3日後の27日にはアメリカン航空のフロリダ州マイアミ発パリ行きの機内で、仏人男性が前の女性が席を倒したことに激怒。争いの仲裁に入った客室乗務員とつかみ合いになり、ボストンに緊急着陸。男性は同乗中の覆面航空保安官に業務妨害罪で逮捕された。

 9月1日にはニューヨーク発フロリダ州ウエストパームビーチ行きのデルタ航空の機内で、女性が編み物をしようと背もたれを倒したところ、後ろの女性の頭を直撃。怒った女性は客室乗務員が仲裁に入っても、大声を出し続けたという。

 このため、機長はジャクソンビルに緊急着陸。暴れた女性は警官に連れられ、降ろされた。逮捕は免れたという。

 狭すぎる座席

 最初のトラブルの発端となったニー・ディフェンダーはU字形のクリップのような器具で、前席の背もたれのテーブルの足の部分に取り付けると、リクライニングができなくなる。

 2003年に1セット21.95ドル(約2300円)で売り出された。開発会社がカナダ紙ナショナル・ポストに明らかにしたところによると、この数日の全世界での売り上げはトラブル発生前の約6倍にも急増した。

 トラブルが起きたユナイテッド航空は機内での使用を禁止しているという。ただ、米国では、悪いのはトラブルを起こした乗客やこの器具ではなく、狭すぎる座席に乗客を詰め込む航空会社だとの声が目立つ。

 生き残り競争激化

 航空業界では格安航空会社(LCC)が台頭し生き残り競争が激化。燃料費の高騰も続き、一人でも多くの客を乗せてもうけを出そうとし、座席数を増やす傾向にある。またテロへの警戒から機内でトラブルを起こす乗客に厳しい対応を取るケースも多い。

 今回の相次ぐトラブルは、こうした航空会社への不満が噴き出したものといえそうだ。米国の航空アナリストは「緊急着陸はあまりにも過剰反応。窮屈を強いるなら、それに伴うトラブルへの対応手順も定めるべきだ」と話している。

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