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【御嶽山噴火】座り込む女性、右手が動いた

 長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)の噴火で、長野県警は28日、山頂付近などで31人が心肺停止になっているのを確認した。多くは山頂付近の登山道周辺で見つかった。警察や消防、陸上自衛隊は朝から救助活動を再開し、心肺停止の4人やけが人らを搬送。長野県警はこの4人の死亡を確認した。ただ、有毒ガスが発生し二次災害の危険性が高まったとして、午後2時ごろまでに捜索活動を打ち切った。残る心肺停止の27人は29日以降に搬送した。

 なお27人が心肺停止

 御嶽山の山頂付近で、その手は小さく震えながら助けを求めていた。28日、上空のヘリコプターからは、火山灰で固まった山頂付近で、力なく倒れている登山客の姿も見えた。無慈悲な自然の力を前に、自衛隊や長野県警、地元消防などによる懸命の救助活動が続けられた。

 午前11時半ごろ、車ほどの大きさの岩石がごろごろと転がり、火山灰で灰色に埋まって噴煙が立ち上る山頂付近。石造りの台座によりかかり、膝を抱えて座り込む女性の姿が見えた。

 紫色のフード付きジャンパーに登山靴。女性は自衛隊などのヘリに気付いたのか、フードをかぶっていた顔をかすかに上向かせ、リュックを抱えていた右手の先を、力を振り絞るようにして小さく震わせた。噴火からほぼ24時間。体力も限界なのだろう。右手と顔以外はピクリとも動かない。

 傍らには、両手を広げ、あおむけのまま動かない男性。さらに数メートル先には、リュックやポリ袋があり、目を固くつむったまま動かないあおむけの男性がいた。救助隊は間もなく、3人を搬送した。

 一方、山の中腹からは白いマスク姿の救助隊100人以上の列が火山灰で登山道の消えた稜線(りょうせん)に連なり、途中途中の山小屋に入っていった。火山灰に埋まっている可能性を見越してか、長い棒を持つ自衛隊員もいる。

 山小屋は火山灰に覆われ、鈍く光る。石が落ちてきたのだろう。屋根には車ほどの大きさの穴が何カ所も空き、爆撃を受けたかのよう。山頂の石像は頭部が欠け、鳥居も破損していた。

 周囲では自衛隊のヘリ数機が山肌をなめるように飛び、登山客を捜す。「ここにいます!」。無線では、報道ヘリが救助隊のヘリに報告する声も入り乱れた。

 午後3時半ごろ、降灰の少ない中腹で、自衛隊のヘリが接近を数回試した後に滞空し、ロープを垂らし始めた。待機していた救助隊数十人は、担架に乗せた登山客をロープにくくりつける。ヘリは登山客を引き上げると、約10分後には、近くのグラウンドまで飛んでいった。(荒船清太、本社チャーターヘリから/SANKEI EXPRESS

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