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【日本列島まるかじり】自然の恵み 遊んで作って充実グルメ 福島・裏磐梯
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カヌー体験は湖に恵まれた裏磐梯の夏のレジャーの定番。湖面が穏やかな曽原湖は初心者におすすめだ=福島県耶麻郡北塩原村・曽原湖(津川綾子撮影) 太陽の日差しを存分に浴び、草の緑がますます輝きをます夏。標高800メートルほどの、福島県のリゾート地・裏磐梯は、川あり、湖ありと自然に触れ合える絶好のスポットだ。良質な温泉がわき、自然の恵みを使ったご当地グルメも充実。自然の懐の深さを体感する、1泊2日の旅となった。
東京を出て新幹線と在来線を乗り継ぐこと3時間半、まず会津藩の城下町・会津若松へ。古い蔵を改築したレストランやカフェが立ち並ぶおしゃれな街並みを散策し、郷土料理の名店「鶴我」で厚切り馬刺しを辛子味噌タレで楽しんだら、一路、レンタカーで裏磐梯へ。
車窓の景色は白壁の街並みから緑の山々に変化。1時間半後、目の前に裏磐梯の湖沼群が現れた。
今でこそ豊かな湖沼に恵まれた裏磐梯の一帯だが、130年ほど前までは全く異なる姿だった。1888(明治21)年7月15日に磐梯山が大噴火。山頂の一つ「小磐梯」の山肌から吹き飛んだ土砂が川をせき止め、桧原湖をはじめ大小さまざま、300以上の湖沼が生まれた。
夏の裏磐梯を満喫するなら、湖遊びは欠かせない。桧原湖の東側にある小さな湖、曽原湖でカナディアンカヌー体験を提供する「もくもく自然塾」(moku2-outdoor.com)の「もくさん」こと清水秀俊代表(56)の手ほどきで、湖面に漕ぎ出すことにした。
ライフジャケットを着込み、へっぴり腰でカヌー前方に乗り込んだ記者。2人乗りの場合、前の人がカヌーの左なら、後ろの人が右といったように分担して櫂を漕ぐ。「肩を使って漕ぐような感じで」ともくさんに促され、カヌー左側の水をかく。間もなく、カヌーが湖面を滑り出した。頬をなでる涼やかな風、櫂で水をちゃぷんとかく音、チイチイとさえずる鳥の声。すべてが心地よい。何も考えず、ただゆったり櫂を動かし、遠くの磐梯山を眺めるうち、心も体も軽くなったように感じた。
夏休みは午前、午後の1日2回、毎日カヌー体験が可能。家族連れでにぎわうとか。「20分ほどの講習もするので、初めてでも楽しめます」ともくさん。大人は3人乗れ1艇5400円(2時間半、税込)だ。
カヌーを漕ぐ。するとおなかがすく。宿泊した「休暇村裏磐梯」の夕食バイキングは、和洋中40種類の料理が並ぶ。中でも旅行客にうれしいのが会津の郷土料理。内陸にある会津周辺では、昔から海産物の乾物や干物を上手に食べてきた文化があり、休暇村でもそれを味わうことができる。例えば、身欠きニシンを使った「ニシンの山椒漬け」は口に含むとふんわり爽やかな風味が食欲をそそる。甘めに煮染めた「棒タラ煮」とともに、味付けがやや濃いめで、ご飯が進む。一方、祝い膳には欠かせない「こづゆ」はホタテ貝柱のダシで、干しシイタケやニンジン、ヤマイモなどを煮て平たい椀(わん)でいただく一品で、上品な味わいだった。
≪山塩生かしたスイーツ、ラーメン≫
こうした伝統料理に加え、最近、裏磐梯のご当地グルメで評判なのが、「山塩」を使ったスイーツや料理だ。「塩」がつく地名が多いことからわかるように、実は裏磐梯では古くから温泉水を使った製塩が行われてきたが、近年、それが復活。薪で火をたき、釜で温泉水を煮詰める古式ゆかしい製法で製塩している「会津山塩企業組合」(aizu-yamajio.com)を訪ねると、入社5年目の鈴木裕一さん(22)が釜から塩をすくって見せながら「山塩は口当たりがまろやかです」と教えてくれた。
そんな山塩を使ったスイーツで最も人気が高いのが、「ヒロのお菓子屋さん」の「会津山塩ごはんシュー」(310円、税別)。カスタードシューにライスプディングが詰まっており、ほんのりと山塩の風味がする。まろやかな味わいで、いくつも食べられそうだ。また、「道の駅裏磐梯」の自家製ジェラートでも山塩味は人気。絶妙な塩加減で、甘さが引き立ち、くせになる味わい。またラーメンの聖地、喜多方の名店「喜一」監修の「会津山塩ラーメン」(650円、税込)などもお薦め。おなかも心も満たされて、再び、郡山に向けレンタカーのハンドルを握った。(津川綾子、写真も/SANKEI EXPRESS)