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アスリートの「怪物」たち 萩野 金4つも「50点か60点」

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アスリートの「怪物」たち 萩野 金4つも「50点か60点」

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アジア大会は欠場したが、東洋大の桐生祥秀も2016、20年五輪のエースとしてのは期待が大きい=2014年9月6日、埼玉県熊谷市・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(共同)  韓国の仁川で開催中のアジア大会で、前半のハイライトは競泳の男子200メートル自由形だったろう。この種目には中韓を代表する国民的英雄がいた。

 韓国の朴泰桓(24)は北京五輪400メートル自由形の金メダリスト。フィギュアスケートの「国民の妹」金妍児とともに、「国民の弟」と呼ばれ、絶大な人気を誇る。

 中国の孫揚(22)はロンドン五輪400、1500メートル自由形で優勝した大スター。ちなみにロンドン五輪200メートル自由形では朴、孫の2人が同タイムで銀メダルを分け合った。

 朴泰桓の名を冠に戴いた仁川のプールの決戦では、雌雄を決すべくリードを奪う2人に挟まれ、日本の20歳、萩野公介が追った。個人メドレーが本職の萩野だが、自由形も強化して臨んだこの大会。150メートルを3位で折り返すと、ワンストロークごとに差を縮め、最後は孫を100分の5秒差で逆転し、金をさらってしまった。

 萩野がメドレーで強いことは中韓のファンも知っている。だがまさか、自由形で敗れるとは思っていなかったはずだ。

 孫揚は、400メートルリレーで日本を下して優勝すると、「中国人に留飲が下がる思いをさせた。正直言って日本の国歌は耳障りだ」といらぬことを口にし、謝罪するはめになった。200メートルの銀の表彰台で君が代を聞いたことが、よほどショックだったのだろう。

 萩野の快進撃は続いた。自由形、背泳、個人メドレーの個人6種目と800メートルリレーの計7種目に出場し、金4、銀1、銅2と、出場全種目でメダルを獲得した。

 これだけの大活躍で、さすがに「金4つは今の僕の限界」と話しながら、「タイムはもっと上げられた。だから点数は50点か60点ぐらい。単位は取得できたかな」と自己採点した。

 もちろん、2016年リオ、20年東京五輪の絶対エース候補。400メートルリレーのメンバーとして今後、100メートル自由形の強化も水泳連盟はもくろんでいる。怪物の可能性はいまだ、終着点がみえない。

 ≪驚異の世代 まだまだ強くなる≫

 アジア大会で金4つの萩野公介もすごいが、もっとすごいのは、国内に競い合える同級生がいることだ。

 瀬戸大也(20)は小学生時代からのライバル。昨年のバルセロナ世界選手権では400メートル個人メドレーで萩野を抑えて金に輝いた。仁川アジア大会では200メートルバタフライで優勝。800メートルリレーでは萩野とともに自由形で参加して金メダル。400メートル個人メドレーでも銅メダルを獲得した。それでもライバルの大活躍の前には存在がかすむ。「納得いかない。公介には1歩も2歩も遅れている」と悔しさを、むき出しにした。

 この2人とともに、女子でも世界に通じるオールラウンダーがいる。渡部香生子(17)。200メートル平泳ぎと400メートルメドレーリレーで金、100メートル平、200メートル個人メドレー、400メートルリレーで銀と、5つのメダルを獲得した。

 本職は平泳ぎだが、個人メドレーでも自由形のリレーでも活躍し、「たくさんメダルを取れたことは自信になる」と笑顔をみせた。「怪物」と呼ぶにはあまりにかれんだが、彼女はまだまだ強くなる。

 故障で仁川行きを直前に断念したが、陸上の桐生祥秀もまだ18歳。アジア大会ではカタールのオグノデが9秒93の驚異的アジア記録で優勝したが、出身はナイジェリア。桐生には正真正銘、アジア人初の9秒台を実現してもらいたい。

 萩野、瀬戸に話を戻せば、日本ハムの二刀流、大谷翔平(20)も1994年生まれの同級生。今季、2桁の勝ち投手と本塁打を記録し、なんとこれが、ベーブルース以来の快記録。

 1歳上には、秋場所、新入幕で優勝を争った逸ノ城もいる。最後の壁として横綱の面目を守った白鵬は「これまで何人も怪物といわれる力士がいたが、顔つきも体つきも、一番怪物らしい」とその力を認めた。

 もっとも取り口に似合わぬ優しい口調の逸ノ城は、「ボクは怪物じゃない。人間です」と話したのだという。怪物と呼ばれるアスリートの、すべてが言いたいセリフでもあるのだろう。(EX編集部/撮影:土谷創造、AP、共同/SANKEI EXPRESS

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