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【競泳】歓迎と警戒 「怪物」フェルプス復帰

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【競泳】歓迎と警戒 「怪物」フェルプス復帰

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 アテネ五輪とロンドン五輪で計18個の金メダルを獲得した競泳男子のスーパースター、マイケル・フェルプス(28)=米国=が、4月24日から米アリゾナ州メサで行われる大会で現役に復帰することになった。AP通信が伝えた。大会出場は2012年ロンドン五輪以来となる。

 指導するバウマン・コーチは14日、50メートルと100メートルの自由形、100メートルバタフライの3種目にエントリーしたことを明らかにし、「どの程度泳げるか試すことになる。現時点で完全復帰とは言えない」と話した。

 さらにバウマン・コーチは、16年のリオデジャネイロ五輪への挑戦について、「その後のことは大会後に話し合う」と話し、明言を避けた。

 フェルプスは昨秋から練習を再開。米国反ドーピング機関による半年間の薬物検査プログラムを終了して大会復帰が可能となった。

 「他選手には気の毒」

 フェルプス復帰のニュースは、世界の競泳界に瞬く間に広がった。

 競泳女子で12個の五輪メダルを獲得した米国のダラ・トーレスさん(47)は、ロイター通信に「フェルプスが引退したから金メダルのチャンスが膨らんだと思っていた選手たちには気の毒。彼は信じられないアスリートで、復帰は水泳界にとって素晴らしい」とコメント。

 24日からの復帰戦にフェルプスとともに出場する女子のジェシカ・ハーディ(27)=米国=は、スーパースターの復帰に驚いた様子で「最高の状態でなくても競技にとっては素晴らしい出来事。達成できることはほぼ達成した彼が、ほかにどんなことを見せてくれるか楽しみ」と話した。

 フェルプスが金メダルに輝いた2004年アテネ五輪男子200メートルバタフライで3位だった英国のスティーブン・パリーさん(37)は「水の世界に戻ってくる決断をしたことが信じられない。もう競技で証明すべきことは何も残っていないはずだ」と英BBC放送に語った。

 リオ五輪にも挑戦?

 萩野(はぎの)公介(19)=東洋大=と瀬戸大也(だいや、19)=JSS毛呂山=が憧れる28歳の「怪物」がプールに戻ってくることに、日本の関係者からは歓迎と警戒の声が上がった。

 フェルプスと同じく個人メドレーとバタフライを得意とする瀬戸は「何秒出るのか楽しみ。リオデジャネイロ五輪に向けて上げてくると思う」と語った。萩野を指導する平井伯昌(のりまさ)コーチ(50)は「フェルプスはものが違う。脅威は脅威」としながらも「続けることは大賛成。環境がある選手はやった方がいい」と話した。

 12年ロンドン五輪は400メートル個人メドレーで萩野に競り負けて表彰台を逃した。運動生理学を専門とする日本水連の岩原文彦競泳委員は「短い距離の種目にシフトするのが普通だろう」とみる。萩野、瀬戸との戦いが実現するとすれば200メートル個人メドレーか。日本水連の上野広治競泳委員長は「負けないようにやるしかない」と力を込めた。(SANKEI EXPRESS

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