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【男子テニス】「限界乗り越えた」錦織、初の2週連続V

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【男子テニス】「限界乗り越えた」錦織、初の2週連続V

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【男子テニス】2014年の錦織圭(にしこり・けい)の主な成績=2014年10月5日現在  ≪楽天ジャパンOPテニス 壮絶打ち合い制す≫

 世界ランキング7位を誇る男子テニスの錦織圭(24)=日清食品=が5日、東京・有明コロシアムで行われた楽天ジャパン・オープンのシングルスで2年ぶり2度目の優勝を果たし、前週のマレーシア・オープンと合わせて自身初となる2週連続のツアー大会制覇を成し遂げた。ツアー優勝は今季4度目で通算7度目。

 第4シードの錦織は決勝で第3シードのミロシュ・ラオニッチ(23)=カナダ=を相手に壮絶な打ち合いを展開。7-6、4-6、6-4で下し、四大大会の全米オープンで準優勝した実力を日本開催のツアー大会でも見せつけた。

 錦織は試合後、「本当に信じられない。うれしくて涙も出た。体力がきつかったけど、限界を乗り越えることができた。また日本で優勝できて、うれしく思っている」と話した。

 勝機を逃さぬ強さ

 激しい打ち合いだった。最後は錦織のバックハンドが宿敵ラオニッチの手元を狂わせ、返球がネットを越えなかった。その瞬間、コートで大の字になり、「正直、信じられない。限界を乗り越え戦い抜けたのも、みなさんのおかげです」。大歓声を浴びながら涙をぬぐった。

 次代を担う同世代の2人。196センチの長身から放つ高速サーブのラオニッチに対し、サーブリターンの名手と呼ばれる錦織の戦いは、最終セットまで互いに一歩も引かない緊迫した時間が続いた。その中で、勝機を決して逃さないのが、今の錦織の強さである。

 5-4で迎えた相手サーブの第10ゲーム。獲物を捕らえるかのように腰をグッと沈め、「ボールに食らい付くことだけを考えていた」。フォアで捉える高速リターンを突破口に3連続得点し、この試合初めてのブレークで頂点に立った。

 ファイナルへ前進

 前日は緊張で眠れなかったという。全米オープン、先週のマレーシア・オープンに続く連戦で疲労も蓄積。決勝前は戦術を組み立てられないほど体力に不安があった。それでもマイケル・チャン・コーチ(42)の「負ける相手はいないと思え」という厳しい教えが原動力となった。

 過酷なトーナメントで3大会連続決勝へ進み、自身初のツアー連覇を達成。世界ランキングは自己最高の6位にアップし、シーズン上位8人による「ATPツアー・ファイナル」出場レースでも5位に浮上する見通しだ。24歳の錦織は「今日だけは勝利を喜び、また次へ向かいたい」と視線を上げた。(青山綾里/SANKEI EXPRESS

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