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建造217年 最古の航行可能艦ひと休み 米海軍「コンスティチューション」3年かけ改修

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建造217年 最古の航行可能艦ひと休み 米海軍「コンスティチューション」3年かけ改修

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米マサチューセッツ州ボストン  世界の航行可能な就役艦船で最古となる米国の木造帆船「USS コンスティチューション」が近く3年間の改修工事に入る。8月末には停泊港であるマサチューセッツ州ボストンのチャールズタウン海軍基地を出てボストンの金融街をバックに帆走。インデペンデンス砦(とりで)に向かって21発の祝砲を放った。

 最大の任務は「現役」

 コンスティチューションは1797年10月に就役した全長62メートル、排水量2200トンの3本マストの木造フリゲート。米海軍により建造され、船名は米合衆国憲法(ユナイテッド・ステーツ・コンスティチューション)から採られた。40を超す砲門を備え、米独立戦争(1775~83年)後の1812年に米国が英国と戦った米英戦争で活躍。建造から217年がたった現在も米海軍に所属する、れっきとした現役艦だ。

 現在のコンスティチューションの最大の任務は、世界最古の航行可能な現役艦であり続けること。今でも米海軍水兵の教育に使われ、艦長は現役の海軍中佐が務める。チャールズタウン海軍基地に係留中は見学も可能で、ボストンを訪れる多くの観光客に米海軍を宣伝することも重要な使命となっている。

 直近では1996~97年に改修工事が行われたが、長期間のドック入りは米独立200年祭を前にした72~75年以来39年ぶりとみられる。このときは改修後の76年7月11日にボストンで行われた独立200年祭に英国のエリザベス女王(88)が参加し、コンスティチューションに乗船するセレモニーも行われた。

 コンスティチューションはジョージア州で切り出された良質のライブ・オーク材を使って建造された。米英戦争では船の側板で英艦船が放った砲弾をはね返したとの逸話が伝えられ、米国では今でも“オールド・アイアンサイズ(古い鋼鉄の船腹)”の愛称の方が有名だ。

 老朽化で解体宣告も

 米英戦争で大きな戦果を挙げたコンスティチューションだが、常に順風満帆だったわけではない。就役から33年後の1830年に行われた検査では老朽化により「解体」を宣告されたが、米作家、オリバー・ウェンデル・ホームズ(1809~94年)の詩「オールド・アイアンサイズ」の出版による世論の後押しを受け35年に就役の継続が決定。しかし、61~65年の南北戦争で鋼鉄艦が登場すると、強度で大きく劣る木造のコンスティチューションは時代遅れの船となっていった。

 19世紀後半には運搬船や練習艦として使用されるようになり、82年についに退役。接待船などとして使われた後、1905年に再び解体が検討されるが、このときも世論の反発で“スクラップ”を免れた。

 17年には建造予定の最新巡洋戦艦に名前を譲るため「オールド・コンスティチューション」に改名したが、結局この戦艦が建造されなかったため、25年に再び元の名前に戻った。

 米メディアの報道によると、ドック入りは10月17日。1797年10月の就航直後から続くこの船の習わしとして、乗組員は既に米海軍下士官約150人への訓練のため下船しており、ボストンを遠く離れる形での改修前の「最後の航海」は予定されていないという。(SANKEI EXPRESS

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