ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
トレンド
ハリポタいじわる教授 モデルは実在女性教師 ローリングさん、サイトに新作短編
更新
英女優、イメルダ・スタウントンさん=2014年9月2日、英国・首都ロンドン(AP) 英作家、J・K・ローリングさん(49)が、小説「ハリー・ポッター」シリーズの新作となる短編をファン参加型のサイト「ポッター・モア」に掲載した。主人公はハリーの敵役で、シリーズ第5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」から登場するホグワーツ魔法魔術学校のドローレス・アンブリッジ教授。英BBC放送(電子版)などによると、これまで触れられてこなかった彼女の「過去」が描かれ、ローリングさん自身による創作の裏話も添えられている。
アンブリッジ教授は完結編となる第7巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」まで登場し、映画では英女優、イメルダ・スタウントンさん(58)が演じた。
魔法省の役人であり、ホグワーツ魔法魔術学校の改革のために「闇の魔術に対する防衛術」教授として派遣された。後に魔法省の省令により「ホグワーツ高等尋問官」に就任。アルバス・ダンブルドア校長を学校から追い出すなど、魔法省の権力をかさに権勢を振るった。
ファンからは「作品中で最もいじわるな登場人物」と評されているが、短編では彼女が魔法使いとマグル(魔法を使うことができないふつうの人間)の混血であることが初めて明かされた。
彼女は後に魔法省の「マグル生まれ登録委員会」委員長に就任してマグルを迫害するが、BBCはこの点について「(純粋な魔法使いでないという出自は)その理由を知る上で重要だ」と分析している。
ロイター通信や米CNN(いずれも電子版)によると、短編には、ローリングさんのアンブリッジ教授に関する「解説」も記されている。アンブリッジ教授は年齢に似合わぬピンク色のカーディガンや花柄のローブを着込んでいるが、ローリングさんは「解説」の中で、こうした特徴は彼女が生理的に嫌いだった実在の女性教師をモデルにしたと明らかにした。
女性教師はリボン形の黄色の髪留めなど、少女趣味のアクセサリーをしており、さらに誇張してアンブリッジ教授の外見をつくったと説明。以前オフィスを共有していた別の女性の例も出し、「彼女はかわいい子猫の写真を壁一面に貼っていたけど、実は死刑擁護のチャンピオンみたいな人だった。極度にかわいいものを好むのは、逆に無慈悲な人間性を隠すためということもありそうだ」などと指摘している。
小説でもアンブリッジ教授の部屋は乙女チックなレースのカバーや布で覆われ、子猫が描かれた皿が飾られている。一方で、魔法大臣への協力を拒んだハリーの手に罰として「僕は嘘をついてはいけない」という言葉を刻み込んだのも彼女で、ハリーの宿敵・ヴォルデモート卿を除けば、その体に永遠に消えない傷痕を残した唯一の敵でもある。
ローリングさんは、アンブリッジ教授は魔法省という組織の庇護(ひご)を得ながら法律や命令を利用して相手を服従させようとしており、「悪に邁進(まいしん)するヴォルデモート卿と同様に非難されるべき人物だ」と語っている。
BBCによると、ローリングさんは「ひときわ嫌悪を抱いている」この悪役の名前の由来も明らかにした。「ドローレス」は「悲しみ」という意味で、「アンブリッジ」はイギリス英語の「周囲に腹を立てる」という言葉から来ており、彼女の頑固さと狭量さを象徴する名前になっているという。
ハリー・ポッターの新作が「ポッター・モア」で発表されるのは、33歳になったハリーの物語と、歌う魔女、セレスティナ・ワーベックの短編に続き今年3回目。ハロウィーンのプレゼントとして予告され、英時間の10月31日にネットアップされた。(SANKEI EXPRESS)