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【Q&A】五輪3会場建設中止 資材高騰 甘い見積もりで費用増大

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【Q&A】五輪3会場建設中止 資材高騰 甘い見積もりで費用増大

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2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場のイメージ(日本スポーツ振興センター提供)  2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都の舛添(まずぞえ)要一知事が3会場の建設中止を表明しました。

 Q どの競技の施設を造らないの?

 A バスケットとバドミントンを予定していた「夢の島ユース・プラザ・アリーナA、B」と、セーリング会場に予定していた「若洲オリンピックマリーナ」の3会場(いずれも江東区)です。

 Q どうして建設しないことにしたのですか

 A 招致する時は、10会場を新しく建てる費用などとして計1538億円を見込んでいました。でも、これは本体の工事費だけを計上したものだったんです。周辺を整備するお金に加えて、建設資材が高騰して費用が想定を大幅に上回りそうになったので、舛添知事が6月、計画を変更する考えを示していました。

 Q どのぐらいの金額になりそうだったの?

 A 招致の時の計画のまま都が会場を造れば、費用は約4600億円に上る試算が出ました。特に、ボートとカヌー・スプリントの会場として東京湾の埋め立て地に新設される「海の森水上競技場」は69億円の予定だったのが、1038億円に跳ね上がりました。

 Q そんなに大きな金額の見込み違いがあったんだ

 A 護岸工事や会場近くの産業廃棄物処理関連施設の移設に費用がたくさんかかるそうです。新たな計画では、護岸の長さを小さくすることなどで、547億円を圧縮できるとしていますが、当初の想定が本体工事費だけだったとしても、見通しが甘かったと言われても仕方がありません。

 Q 結局、どれぐらいのお金がかかるの?

 A 3会場の建設中止や工法の見直しなどで約2000億円を圧縮し、約2600億円となる見通しです。都は国際オリンピック委員会(IOC)に大会開催基本計画を提出する来年2月まで、引き続き見直しを進めて、さらに減らしたいとしています。

 Q 建設中止となった会場でやる競技は、どこに変更されるのかな

 A バスケットは「さいたまスーパーアリーナ」(さいたま市)、バドミントンは「武蔵野の森総合スポーツ施設」(東京都調布市)へ変更する方向です。セーリングは既存施設の「若洲海浜公園ヨット訓練所」(江東区)を改修して活用する予定です。

 Q 東京以外でも競技が開かれるんだね

 A サッカーの1次リーグやゴルフもそうですが、さらに増えるかもしれません。IOCのコーツ調整委員長はバスケの1次リーグの会場について「大阪のような大きな施設を持つ都市にも(会場候補として)目を向けるように大会組織委員会に提案した」と述べています。舛添知事も「(全国)各地でやるというのは一つのアイデア」と話していて、今後、各地の都市が次々と名乗りを上げる可能性もあります。

 ≪開催都市以外での実施容認≫

 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は、19日に都内で開いた会見で、バスケットボールの1次リーグの会場について「サッカーと同様に、大阪のような大きな施設を持つ都市にも(会場候補として)目を向けるように大会組織委員会に提案した」と明らかにした。

 コーツ委員長は、IOCが18日に発表した中長期改革「五輪アジェンダ2020」の提案に、開催都市以外での実施を認める項目が含まれていることに触れ「五輪を地方でも開催すればチケット販売の収入でも恩恵がある」との考えを示し「他の団体競技も開催都市以外で実施することがあり得る」と述べた。

 バスケットボール会場は新設を取りやめ、代替会場をさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)とする方針だが、競技団体との交渉が難航している。(SANKEI EXPRESS

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