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欧州にクリスマスマーケット到来 年に一度「おとぎの国」イベント
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ストラスブール大聖堂の近くで1570年から開催されている子供のクリスマスマーケット。歴史あるクリスマスマーケットとして知られ、毎年12月31日まで開かれる=2014年11月29日、フランス・ストラスブール(ロイター) 12月に入り、町にはクリスマスツリーやイルミネーションがお目見えしてすっかりクリスマスムードが漂う。本場ヨーロッパでは、クリスマスの準備も一つのイベント。とくにクリスマス前の約1カ月間、町の中心では「クリスマスマーケット」が開かれ、クリスマスグッズや食べ物を売る屋台が並ぶ。歴史的な建物の並ぶ旧市街地が美しいイルミネーションで彩られる様子は、まるでおとぎの国に迷い込んだようだ。ここ近年は、日本の都市でもクリスマスマーケットが定着しつつあり、年末の風物詩にもなっている。
クリスマスマーケットは、11月30日に一番近い日曜からクリスマス前までの期間(4回の日曜日をはさむ)の「アドベント」(待降節)と呼ばれる時期に開かれる。「アドベント」とは「到来」を意味する。救世主イエス・キリストの到来を心待ちにする時期のことだ。ヨーロッパの教会では、アドベントの最初の日曜日(今年は11月30日)からクリスマスの準備を始めるという。
とくにドイツでは、ほぼ全ての都市で開かれ、夜が長く天気の悪い冬のドイツの呼び物として定着している。
≪輝く露店が誘う幻想世界≫
冬のドイツの楽しみといえばクリスマスマーケットだ。大都市から小さな町まで2000以上ものクリスマスマーケットが立つという。中でも、世界一有名で格式が高いとされるのがニュルンベルクのマーケット。毎年200万人が訪れる。
「クリストキント」(幼子キリスト)と呼ばれる天使に扮(ふん)した若い女性によって毎年オープニングセレモニーが執り行われる。クリストキントは、クリスマスマーケットのシンボル的な存在だ。
城壁に囲まれ、まるで中世の都市に迷い込んだような雰囲気のニュルンベルクのクリスマスマーケットのメーン会場となるのは、町の中央にある広場ハウプトマルクト。特産の焼きソーセージや有名なクリスマスのクッキー「レープクーヘン」などの名産品を味わうことができる。
フランクフルトのクリスマスマーケットは1393年、ドイツ国内で最初に開かれた歴史あるマーケット。当時は今日のようなものではなく、厳しい冬の到来を前に日用品を買いそろえる最後の市だったらしい。今日の形になったのは19世紀になってからという。
旧市街地にある木組みの家並みや市庁舎、教会などに囲まれたレーマー広場で行われるマーケットが特に有名。ホットワインや焼き菓子、クリスマス装飾品や伝統工芸などのスタンドが軒を連ねる。
フランス最大のクリスマス市があるのは、アルザス地方のストラスブール。中心地はほぼ徒歩で移動できるほどで、この小さなエリアにたくさんのクリスマスマーケットが登場し、マーケットのはしごができる。伝統的なクリスマス雑貨やかわいい装飾品、アルザス地方のスイーツなどが充実している。かつてドイツ領だったストラスブールは、かわいい木組みの家々が並び、街中はイルミネーションで飾られてまるでメルヘンの世界に迷い込んだようだ。
日本でも大阪・新梅田シティの「ドイツクリスマスマーケット大阪」や横浜の「クリスマスマーケット in 赤レンガ倉庫」など都市を中心に行われ、定着しつつある。(EX編集部/撮影:ロイター、AP/SANKEI EXPRESS)