ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
トレンド
進化を続けるモノグラム ルイ・ヴィトン
更新
クリスマスを前にイルミネーションが華やかな東京・銀座。大手百貨店、松屋銀座の一画にそびえるルイ・ヴィトンは日本最大級の店舗で、高級衣料からバッグ、小物まで、豊富な品ぞろえを誇る。定番のモノグラムでも革素材と組み合わせたり、鮮やかな色をあしらったりと進化を続けている。クリスマスプレゼントにぴったりな、遊び心満載の商品もそろっている。
1854年に旅行用トランク製造・販売業として一号店をパリに出店したルイ・ヴィトン。LとVの文字とフラワーモチーフを組み合わせた「モノグラム」は96年に発表された。1959年から樹脂とキャンバス地をあわせた軽くて丈夫な素材で、バッグに使われ定番となった。日本には78年に上陸、2000年以降は村上隆や草間彌生といった日本人アーティストとコラボレーションした斬新なアイテムも相次いで発表した。
2014-15の秋冬からウィメンズのアーティスティックディレクターにフランス人のニコラ・ジェスキエールが就任。ティエリー・ミュグレー、トラサルディ、バレンシアガなどそうそうたるブランドでデザインを手がけた実力派で、伝統を生かしながらもトレンドを追求した新商品が続々と登場、新たなファンを増やし続けている。
今年のクリスマスシーズンに発売となったのが、民族のマスクをあしらった財布やパスケースのシリーズ「モノグラム・マスク」。ルイ・ヴィトン3代目のガストンがコレクションしていたマスクに着想を得ている。定番のモノグラムに鮮やかな色の革素材をアクセントで加え、遊び心満載だ。
最近のデザインの特徴は、定番のモノグラムに鮮やかな色の革素材を組み合わせるなどして、カラーバリエーションが豊富なこと。麦の穂の形を浮彫りにした革素材「エピ」と組み合わせた商品もあり、素材にも工夫を凝らしている。
そしてモノグラムと同じく、ブランドのルーツであるトランクをモチーフとする新商品も登場。バッグ「アルマ」の新作はトランクの内装をイメージしつつ、色の革素材にステッチを効かせており、フォーマル感も漂う。やはりトランクをクラッチ仕様にしたバッグ「プティット・マル」は、パーティー用にぴったり。秋冬と春夏のコレクションの合間に出る「クルーズコレクション」の一環だ。
秋冬のウィメンズ衣料では、やはりトランクをイメージしながら異なる素材を組み合わせ、女性的なラインを打ち出した。カジュアルでありながら、ブランドの伝統が根付く、上質感を感じさせる斬新さだ。
コーディネートの幅を広げてくれるショールは、モノグラムをベースに色とりどりのデザインがある。一方、ラビットファーを使ったスポーティーな新商品も登場した。
メンズのバックパックや旅行カバンなど「ダミエ・グラフィット」のシリーズもスポーティーさがポイント。ルイ・ヴィトンでモノグラムより前に誕生した市松模様「ダミエ」を、グレー基調としたもので「もちろん女性にもお使いいただけます」(広報)という。
ルイ・ヴィトン松屋銀座店は2000年にオープン。壁面のディスプレーは銀座中央通りの象徴的な存在となっている。昨秋リニューアルして、3階に文具コーナーが新設された。実は文具コーナーは世界でパリとミュンヘンと東京との3カ所にしかない。新作はウィメンズの万年筆やボールペンのシリーズでボディにモノグラムの模様が浮き彫りになっている。インクに紙もあり、紙は有名作家がオリジナルの原稿用紙を作るようなオーダーメードが可能という。
松屋銀座店には外国人観光客も訪れ、その多くが中国、台湾など中華圏から来ているという。百貨店の一角を占める店舗であることから、路面店より入りやすい気軽さもある。このクリスマス、プレゼントを探しに訪ねてみたい。(文:藤沢志穂子/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)
※価格はすべて税込みです。